ゼットスケーラー、AIセキュリティレポート発表 Al/ML利用は前年の3000%増

米ゼットスケーラーは2025年4月24日、「2025年版 Zscaler ThreatLabz AIセキュリティ レポート」を発表した。同レポートは、2024年2月から12月までに同社のZero Trust Exchangeプラットフォームを通じて処理された5360億件以上のAIトランザクションを分析した結果に基づいており、企業におけるAI/ML(機械学習)ツールの利用が前年比で3000%以上も急増している実態を明らかにしている。

同レポートによれば、AI/MLトランザクションの上位5か国には米国、インド、英国、ドイツ、日本が名を連ね、日本はアジア太平洋地域でインドに次ぐ15.2%のシェアを占めた。特に注目されるのはAIアプリケーションの中でOpenAIの「ChatGPT」が全体の45.2%と圧倒的なシェアを誇り、最も多く利用された一方、最も多くブロックされたアプリケーションでもある点だ。ほかにも「Grammarly」や「Microsoft Copilot」といった生成系ツールがブロック対象上位に挙がった。

アジア太平洋地域における各国のAI/MLトランザクション比率

アジア太平洋地域における各国のAI/MLトランザクション比率

AIの進展は利便性や生産性向上をもたらす一方で、セキュリティリスクの温床にもなっている。とりわけ中国発のオープンソースAI「DeepSeek」や、急速に進化するエージェント型AIは、脅威アクターによる攻撃自動化とスケール拡大を後押ししており、組織の脆弱性を突く新たな手段となっていることを同レポートは指摘している。

業界別の分析では、金融・保険業界がAI/MLトラフィック全体の28.4%を占め最多となった。続いて製造業(21.6%)、サービス業(18.5%)、テクノロジー(10.1%)、ヘルスケア(9.6%)と続く。これらの業界では、AIによる業務効率化が進む一方で、データ保護やコンプライアンス遵守といった新たな課題も顕在化している。

ゼットスケーラーの最高セキュリティ責任者であるディーペン・デサイ氏は、「AIによるイノベーションが進むなかで、予期せぬセキュリティ課題が浮上している。ゼロトラストによる保護の強化が急務である」と指摘。また、日本法人のCISOである深谷玄右氏は、「AIは諸刃の剣であり、誰もがマルウェアや不正アクセスを試みることが可能となる現状では、従来のセキュリティ対策はもはや通用しない」と警鐘を鳴らしている。

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