ネクシオンとNECは2025年4月23日、放送局や映像制作会社向けにローカル5Gを活用した映像伝送サービスを4月24日に開始することを発表した。ネクシオンが全国のスタジアムやイベント会場などに敷設した映像伝送ネットワークと、NECのローカル5G技術を組み合わせることで、撮影現場から放送局までのワンストップ接続を実現し、番組制作にかかるコストの削減とリモートプロダクションの推進を図る。
放送業界は、スポーツ中継やイベント制作に伴う高額な中継・編集費用や、映像ビジネスの拡大に向けた事業の開発という課題に直面している。今回のサービスでは、ローカル5Gの安定性と広帯域通信能力により、ケーブル不要のワイヤレスカメラを活用した撮影環境を提供。これにより、従来型の中継設備に依存せず、より柔軟かつ低コストな映像制作を可能にすることでこうした課題解決を支援する。
具体的には、ネクシオンの光ファイバー回線とNECのローカル5Gによる大容量ワイヤレス通信を統合。現場に中継車などを配置せずとも、スタジアムから放送局までの映像伝送が可能となる。また、編集スタッフやディレクターなどの関係者が遠隔地からでもリアルタイムで番組制作に携われる環境を整備することで、リモートプロダクションの実現を後押しする。
さらに両社は、異なるメーカーの機器が混在するマルチベンダー環境への対応にも注力。NECが培ってきたスポーツ中継のノウハウとマルチベンダー対応の実績、ネクシオンの柔軟な伝送対応力を組み合わせることで、利用機器の選択肢を広げ、顧客の多様なニーズに応えるという。
今後、撮影現場におけるネットワークのセキュリティ確保や、電波状況の可視化によるクルーの動線最適化、ローカル5Gを中心とした高速無線通信の統合による会場内ネットワークの高度化など、関連サービスの拡充を予定している。
