ソフトバンクが通信業界向け生成AIモデルを開発 RAN設定の自動化・最適化目指す

ソフトバンクが、通信業界向け生成AI基盤モデル「Large Telecom Model(LTM)」を開発した。ソフトバンクが保有するネットワークデータ等を学習したモデルで、基地局設定や保守・運用の省人化、マーケティング戦略の策定等に活用していきたい考えだ。

ソフトバンクは2025年3月26日に記者説明会を開催し、通信業界向け生成AI基盤モデル「Large Telecom Model(LTM)」を開発したと発表した。まずは同社の実業務への適用を目指すという。

LTMは、ソフトバンクが保有するネットワークデータや管理・運用ノウハウに加え、標準仕様書などのパブリックデータやシミュレーションデータ等を学習した生成AIモデルだ。

Large Telecom Modelの概要

Large Telecom Modelの概要

同モデルは、ソフトバンクが構想する「Human AI」を具現化したもので、「人が行う仕事を代替し、運用効率化や省人化、OPEX削減などを期待している」と先端技術研究所 先端無線統括部 基盤&AI室の田村峻氏は説明した。

ソフトバンク 先端技術研究所 先端無線統括部 基盤&AI室 田村峻氏

ソフトバンク 先端技術研究所 先端無線統括部 基盤&AI室 田村峻氏

また、API連携によるAI-RAN統合ソリューション「AITRAS」のオーケストレータ―への組み込み、AIエージェントや他社の外部システム等との連携も視野に入れているとのことだ。

田村氏が紹介したLTMの有望なユースケースの1つが、基地局の設定だ。従来は経験や知識を有したエキスパートが基地局の設計・シミュレーションを行っていたが、LTMがこの業務を代替することで、省人化や専門知識を持たない担当者でも基地局設定を行えるようになるとした。

通信インフラの保守・運用に関しても、障害発生時の対策立案をLTMが行うことで、業務効率化につなげていきたい考えだ。LTMが顧客の声や市場動向等を分析してマーケティング戦略を策定するといったセールス領域への活用も期待しているという。

Large Telecom Modelのユースケース

Large Telecom Modelのユースケース

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