「日本はロボット経験値が豊富」 AIロボットの開発・実装へ、トヨタ・KDDI・NECら参画の「AIRoA」が本格始動

昨年12月に設立されたAIロボット協会が本格始動する。トヨタ自動車やKDDI、NEC、富士通、SB Intuitionsなどが参画する。AIロボットの社会実装に向け、まずはロボット基盤モデルのベースとなるデータ収集に取り組み、2025年中にロボット基盤モデルの開発・公開を目指す。将来的には、オープンなデータを活用した「AIロボット開発コミュニティ」を発足させたい考えだ。

一般社団法人AIロボット協会(AIRoA)は2025年3月27日、早稲田大学 リサーチイノベーションセンター(東京都新宿区)で設立会見を開催した。

AIRoAは、AIロボットの技術革新や社会におけるAIロボット活用の推進を目指し、昨年12月に設立された。会員企業は22社に及び、トヨタ自動車や日産自動車、KDDI、NEC、富士通、三菱電機、ソフトバンクのAI子会社SB Intuitionsなどが参画している。

ロボット分野においては、「ロボット基盤モデル」に注目が集まっている。大量かつ多様な行動データ等を学習させ、ロボットに汎用的な知識とスキルを与えるAIモデルだ。

AIRoA 理事(松尾研究所 経営戦略本部 マネージャー)の乃木愛里子氏によると、従来のロボットは「いきなり技術者を作るイメージで、特定の環境下で特定のタスクができるように開発されている」が、基盤モデルを搭載したAIロボットは、「動く・握る・持つといった、人間で言う『赤ちゃんから成人になる過程』で育まれる部分を作り込むことによって、より人間に近しい動作ができるようになる」という。

このロボット基盤モデルの開発競争は世界中で激しくなっているが、AIRoA 理事長を務める早稲田大学 理工学術院 基幹理工学部 表現工学科教授の尾形哲也氏は課題の1つとして、基盤モデルのベースとなる「データがオープンになっていない」という点を指摘。そのうえで、「日本はロボットに関する経験値が豊富で、ロボットから重要なデータを収集できる可能性がある。このデータを皆に共通で使ってもらえるようにするというのが、AIRoA設立の趣旨だ」と説明した。

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