NTTコミュニケーションズ(NTT Com)、横浜市水道局、酉島製作所、コネクシオの4者は2024年11月19日に記者説明会を開催し、Starlinkを活用した自律飛行型ドローンによる横浜・仏向ポンプ場の自動巡回に成功したと発表した。
仏向ポンプ場は1973年に設置された配水ポンプ場で、保土ヶ谷区・旭区(一部)の計3万1500戸へ水を供給する役割を担っている。
同エリアは起伏の多い丘陵地帯であり、「(高い場所に位置する家庭等へは)ポンプによる配水が必要だが、ポンプが故障すると大規模な断水につながり、市民への給水に影響を及ぼすおそれがある」と横浜市水道局 浄水部 浄水課長の羽布津慎一氏は話した。
横浜市水道局 浄水部 浄水課長 羽布津慎一氏
こうしたポンプの機能不全が起こらないよう、同局の職員が1カ月に1回の頻度で、横浜市内23カ所のポンプ場の巡回・点検を行っているが、全ポンプ場を職員が点検するのは膨大な労力がかかるうえ、市内の執務室から仏向ポンプ場までは往復約2時間かかるという。また、「異常判断は経験に基づく技術力が必要だが、今後多くのベテラン職員の退職も控えている」(羽布津氏)。
そこで同局が目を付けたのがドローンによる自動点検で、NTT Comが業務提携している米Skydio社の自律飛行型ドローン「Skydio 2+」を採用した。「ドローンに計6つの魚眼レンズが搭載されており、そのレンズで撮影した映像をもとに機体の制御を行っているため、GPSが取得できない場所でもドローンをコントロールできる」とNTT Com プラットフォームサービス本部 5G&IoTサービス部 ドローンサービス部門 主査の石川泰典氏は説明した。