楽天モバイルは2024年10月22日、高度化エッジクラウドの国際標準化活動を本格開始したことを発表した。
これは、楽天モバイルが情報通信研究機構(NICT)の支援により実施している「革新的情報通信技術(Beyond 5G(6G))基金事業 社会実装・海外展開志向型戦略的プログラム」内の「次世代通信に向けたエッジクラウドの高度化技術に関する研究開発プロジェクト」によるもの。同プロジェクトにおいて、NICTより国際標準化活動支援としての交付が決定した。
発表によれば、現在、国際的に標準化されているネットワーク仕様はクラウドネイティブネットワークが構築される前に策定されたものであり、Beyond 5G時代に向けて増加するユーザー数や通信量への対応が困難である。そのため、柔軟かつ効率的で拡張可能なクラウドネイティブネットワークの要件を仕様に反映する必要があるという。
楽天モバイルは、すでに国内において大規模な完全仮想化クラウドネイティブモバイルネットワークを構築している。この知見を生かし、国際的な標準化団体と連携して、Beyond 5G時代に向けて需要の高まるエッジクラウドなどクラウド管理のための統一された国際標準の策定・普及を推進し、クラウドネイティブなネットワークの普及に貢献するとしている。
また、楽天モバイル傘下の楽天シンフォニーを通じてグローバルに展開するクラウドソリューション「Rakuten Cloud」等についても国際標準への準拠を進める。
具体的な活動内容は次の2つ。活動期間は2024年8月から2026年3月の予定だ。
RAN(無線アクセスネットワーク)のオープン化を推進するO-RAN ALLIANCEによるインフラ管理とクラウドネイティブなネットワーク機能管理の標準化を支援。Kubernetesベースのクラウド環境をインテリジェント化するAPIの自動化・標準化に貢献する。
また、3GPPにおいては、O-RANと3GPPシステム間の相互運用性標準の開発と洗練化を目指して、クラウド管理のための統一された国際標準の策定・普及を推進する。マイクロサービスベースの3GPPネットワーク機能を管理するための運用および保守(O&M)のさらなる標準化などに取り組むとしている。