日立製作所は2024年8月29日に記者説明会を開催し、「業界特化型LLM構築・運用サービス」「生成AI業務適用サービス」を同年10月1日より提供開始すると発表した。
同社は「デジタルテクノロジーを駆使した社会課題の解決とSociety 5.0の実現」というビジョンを掲げ、生成AIソリューションの開発・提供を行ってきた。
日立の生成AIの取り組み全体像
なかでも日立製作所が積極的に取り組んでいるのが、パートナリングによるAIエコシステムの構築だ。同社は今年3月にNVIDIAと協業し、AI用GPU「NVIDIA DGX H100」を搭載したサーバーと日立製作所のストレージを組み合わせた「Hitachi iQ with NVIDIA DGX」を提供している。ある自動車メーカーでは、ディープラーニングの処理時間を約1/20に短縮できることが決め手になり、Hitachi iQが採用されたという。
そして今年5月、Geminiを活用した生成AIソリューションの開発に向け、Google Cloudと戦略的アライアンスを締結。今年6月には、Microsoftとの協業を発表し、Azure OpenAI ServiceやCopilot for Microsoft365等を、日立製作所のデジタルプラットフォーム「Lumada」に取り込み、産業分野向けソリューションの開発・提供を目指している。
日立製作所 デジタルエンジニアリングビジネスユニット Data&Design本部長 兼Generative AIセンター センター長の吉田順氏は、「様々なパートナーと組みながら、“使いこなし技術”を貯めている。パブリッククラウドやオンプレ、お試しや本番環境といったお客様のニーズにあわせた生成AI環境を提供できる」とアピールした。
(左から)日立製作所 デジタルエンジニアリングビジネスユニット Data&Design本部長 兼Generative AIセンター センター長 吉田順氏、同社 クラウドサービスプラットフォームビジネスユニット 事業主管 兼 生成AIアプリケーション&共通基盤室 (日本) 室長 元山厚氏
今年7月には、生成AIを活用した業務効率化や経営改革を伴走型で支援する「生成AI活用プロフェッショナルサービス powered by Lumada」を提供開始。ユースケースの検証やアプリ開発の支援、RAG(検索拡張生成)システムの構築や回答精度向上に向けたサポート、生成AIに関する人材育成などのサービスメニューで構成されている(参考記事)。