ゼットスケーラー創業者「ゼロトラストという用語は“ハイジャック”を受けている」

「未だにアナリストはファイアウォールベンダーをゼロトラスト企業と呼んでいる」「空から攻撃を受けたら、堀(ファイアウォール)に一体何ができるだろうか」――。ゼットスケーラーの創業者・CEOのジェイ・チャウドリー氏は、“惰性”で境界型防御を続けていることが、深刻なセキュリティインシデントが相次いでいる大きな原因だと警告した。

(左から)ゼットスケーラー CEO、会長 兼 創業者 ジェイ・チャウドリー氏、代表取締役 エリアバイスプレジデント 金田博之氏

(左から)ゼットスケーラー CEO、会長 兼 創業者 ジェイ・チャウドリー氏、代表取締役 エリアバイスプレジデント 金田博之氏

ゼットスケーラーは2024年7月4日、記者説明会を開催し、初来日した創業者でCEO 兼 会長のジェイ・チャウドリー氏が、ゼットスケーラーのソリューションの特徴やゼロトラストの現状に対する意見などを述べた。

同氏が2008年にゼットスケーラーを立ち上げたとき、その頭の中にあったのは「ネットワークとセキュリティを変えなければならない」との思いだったという。

当時の企業ネットワークは、MPLSベースのVPNとファイアウォールがもちろん主役の時代。現在ほどモバイルやクラウドが普及していたわけではなかったが、すでに「10年以上うまくいっていた『外のあるものは信頼できず、中にあるものは信頼できる』という境界型防御に、残念ながら問題が起こるようになっていた」。

モバイルやクラウド、そしてIoTが広がっていく今後、果たしてネットワークやセキュリティはどうあるべきなのか――。「この新しい世界には、中と外の区別がない。ファイアウォールあるからこそ堀(境界)は生まれる。堀を作るのはやめようと思った」という。

ゼットスケーラーは「交換台」

その代わりに作ることにしたのが「交換台」だ。かつて電話は、交換台にいる電話交換手に、通話したい相手を伝え、その相手につないでもらうものだった。

ゼットスケーラーのソリューションは、交換台の交換手のように、ユーザーが誰かを確認し、そのつなぎたい相手(アプリケーション)へ取り次ぐことがポリシー違反でないことをチェックしたうえで、両者を接続する。「アーキテクチャは非常にシンプルだ」

ゼットスケーラーのゼロトラストアーキテクチャー

ゼットスケーラーのゼロトラストアーキテクチャー

ファイアウォールやVPNで守る境界型防御の場合、内部に一度入ってしまえば、その中を容易に動き回れるのに対して、「我々はポイント・トゥ・ポイントで安全な配管を作るわけだ」とチャウドリー氏。また、ネットワークに関しても「ハイウェイのようなインターネットを使えばいいと考えた」。

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