KDDIは2024年6月14日、5G(Sub6)のエリア拡大と通信品質向上に関する説明会を開催した。
KDDI 執行役員 コア技術統括本部 技術企画本部長の前田大輔氏
KDDIは2020年の5Gサービス開始以降、LTEからの転用周波数による面的整備と並行して、Sub6エリアの整備を進めてきた。これまでに約9万4000局の5G基地局を開設済みだ(2024年3月末時点)。このうち約3万9000局はSub6となっている。
5G専用周波数であるSub6は、5Gの性能を発揮しやすく、5Gの「本命」とされる。しかし従来、衛星通信事業者が保有する地球局と人工衛星局間で利用している3.6~4.2GHz帯との干渉を防ぐため、地球局が配置されている関東地方など一部エリアでは、出力を制限する必要があった。加えて、人工衛星との干渉を避けるため、アンテナ角度も適正値よりも下げて設定していた。
Subの出力最大化が可能に
それが2023年度末に、衛星通信事業者が地球局を移転したことで、Sub6基地局の出力アップとアンテナ角度の最適化が可能となった。これにより、Sub6エリアが関東地方で2.8倍拡大した。衛星干渉の影響を受けていなかった地域を含む全国ではエリアが1.5倍拡大したという。
干渉の影響がなくなったことで、アンテナ角度も最適化
「今年度からSub6のポテンシャルを発揮することが可能になる」とKDDI 執行役員 コア技術統括本部 技術企画本部長の前田大輔氏は語った。