NTTが宇宙ビジネスブランド「NTT C89」発表、ドコモは2026年度中にHAPSの商用サービス開始

「89番目の新しい星座を作る」――。NTTはグループの宇宙ビジネスの新ブランド「NTT C89」を発表した。グループ各社の宇宙事業の取り組み(星)をつなげ、89個目の星座となることを目指す。注力領域の1つであるHAPSについては、ドコモが2026年度中に国内で商用サービスを開始する。

NTTは2024年6月3日、宇宙事業に関する記者会見を開催し、NTTグループの宇宙事業戦略の統一ブランド「NTT C89(エヌ・ティ・ティ シー・エイティ・ナイン)」を立ち上げると発表した。

NTTの島田明社長(左)と取締役 執行役員 研究開発マーケティング本部 アライアンス部門長の工藤 晶子氏

NTTの島田明社長(左)と取締役 執行役員 研究開発マーケティング本部 アライアンス部門長の工藤 晶子氏

これまでNTTでは、グループ各社が個別に宇宙事業に取り組んできた。「それぞれが小さな星のようなものだが、それらを有機的につなげてより大きくし、日本の宇宙産業の未来に貢献したい」とNTTの島田明社長は抱負を語った。現在、天文学に用いられている星座は88個あるが、89という数字には「89番目の星座を作っていく」という意味が込められているという。

グループ各社の宇宙事業を有機的に結合し展開する

グループ各社の宇宙事業を有機的に結合し展開する

NTTはスカパーJSATとともに、宇宙統合コンピューティング・ネットワーク事業を担う新会社Space Compassを設立しており、同事業の実現に向けて4つの領域に注力する。

1つめが、GEO(静止軌道)衛星だ。

Space Compassで光データリレーサービスを準備中だ

光データリレーサービスの提供を準備中だ

すでに、赤道上空3万6000kmを周回するGEOで日本全土をサービスエリアとする衛星電話サービス「ワイドスター Ⅲ」がNTTドコモから提供されている。また、観測衛星が宇宙で収集する膨大な各種データを静止軌道衛星経由で地上へ高速伝送する光データリレーサービスを準備中だ。GEOをより堅牢にするため、宇宙太陽光発電や宇宙放射線電磁バリアなどの技術開発にも取り組んでいる。

2つめが、観測LEO(低軌道)衛星&観測データプラットフォームだ。

NTTデータを中心に一気通貫で事業を展開する

撮影からシミュレーションまで一気通貫で事業を展開する

NTTデータを中心に事業開発を行っており、観測データをデジタル3Dに変換する地図サービス「AW3D」をすでに提供している。さらに、観測LEO衛星コンステレーションの自前化や、3D地図に時間軸の情報を加えてデジタル上でシミュレーションを可能にするデジタルツインプラットフォームのサービス化も検討しているという。

続きのページは、会員の方のみ閲覧していただけます。

関連リンク

RELATED ARTICLE関連記事

SPECIAL TOPICスペシャルトピック

スペシャルトピック一覧

FEATURE特集

NEW ARTICLES新着記事

記事一覧

WHITE PAPERホワイトペーパー

ホワイトペーパー一覧
×
無料会員登録

無料会員登録をすると、本サイトのすべての記事を閲覧いただけます。
また、最新記事やイベント・セミナーの情報など、ビジネスに役立つ情報を掲載したメールマガジンをお届けいたします。