NTTドコモは2010年12月24日、LTEを利用した高速通信サービス「Xi」の開始に合わせて、都内でセレモニーを開催した。
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「メリークロッシィ」の掛け声とともに開始ボタンを押す、ITCネットワーク寺本一三社長、NTTドコモ山田隆持社長、総務省大臣政務官の森田高氏、富士通の山本正己社長(左から) |
下り最大37.5Mbps(屋内施設では75Mbps)と現行のFOMAと比べて約10倍の通信速度を実現するLTEは、動画や音楽など大容量のコンテンツを短時間でダウンロードすることができる。3Gの後継規格としてドコモが国際標準機関の3GPに提案し、2004年12月に国際標準規格に承認されている。
セレモニーに登壇した同社代表取締役社長の山田隆持氏は、「高速・大容量・低遅延を特長とするXiは、動画などのリッチなコンテンツを快適に楽しめるだけではなく、これまで端末上で処理してきたものをネットワーク側で迅速に処理できるようになる。豊かな生活の社会基盤になると確信している」と語った。
ドコモでは、まず東名阪でサービスを開始する。2011年度は県庁所在地級都市に5000局、2012年度は全国主要都市に1万5000局と順次エリアを拡大。2014年度末には3万5000局で人口カバー率70%となる見込み。
端末は、同日よりデータ通信カード「L-02C」を発売する。来年4月には富士通製データ通信カードの投入も予定している。その後、2011年度前半にモバイルWi-Fiルーターを発売、さらに2011年冬モデルでスマートフォンに対応するという。
契約数については、当面、エリアが限定されているうえ、対応端末がデータ通信カードのみであるため今年度は5万契約にとどまるが、エリアと端末が拡充する2011年度は100万契約、2014年度は1500万契約を目指すとしている。
セレモニーでは、ドコモの東海支社と関西支社からの同時中継も行われた。途中からXiによる中継に切り替わったが、有線とほぼ同等の映像品質を実現していた。
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セレモニーでは、Xiを使って名古屋と大阪の同時中継も行われた |
また、Xiで実現するサービスとして、クラウド上での高速処理による「同時翻訳」、目の前の街並みに端末のディス
プレイをかざすと昔の風景がAR(拡張現実)で浮かび上がる「ヒストリービュー」が紹介された。「LTEではネットワークにインテリジェンスを付けてドコモならではのサービスが可能になる」(山田社長)として、今後クラウドを活用したサービスを導入していくという。
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ARで歴史の名所など昔の風景が画面に浮かび上がる「ヒストリービュー」 |