URLにアクセスするだけ 追加費用も不要2つめの要素は設定が簡単で、迅速に導入できることである。ネットワーク機器の設置やVPNのコンフィグは基本的にエンジニアでないと難しい業務であるため、新しい支店などで新規にVPNを導入する必要がある場合「リモートワーカーや各拠点の人にVPNやネットワークの設定を依頼するのはナンセンス」と原氏は指摘する。
QuWAN は無料で利用できるクラウド管理プラットフォーム「QuWAN Orchestrator」から、IT管理者があらかじめQuWANに接続するように設定しておくことができる。そのため現地の作業者はインターネット接続さえすればいい。いわゆる「ゼロタッチプロビジョニング」が実現可能だ(図表2)。
図表2 QuWAN Orchestratorによる一元監視イメージ
QuWAN OrchestratorはURLにアクセスすればどこからでも利用できるため、IT管理者や監視業務を請け負うSIerなどは、自宅からでもVPNを利用した端末の情報などを可視化し、一元管理できる。「QNAPの本社がある台湾では、本社と37の拠点をQuWAN Orchestratorで一元管理しているお客様がいらっしゃいます。その際、各拠点には事前に本社のIT部門が設定したQuWAN子機を送り、拠点側での操作は子機をインターネットにつなぐだけでした」と原氏は紹介する。UIも日本語化されており、利用しやすい。セキュリティ面でもSMSなどを活用した二段階認証の仕組みが用意されている。
また、VPNの設定や拠点間VPNを構築するにはIT管理者が複雑なコンフィグを事前にする必要があるが、「IT管理者が操作することなく、自動で通信の経路を最適に制御してくれるため、障害時の経路制御を設定するなどの手間も不要になります」(原氏)。
エンドユーザー視点でもVPNを利用しやすい。「各PCやスマートフォンにはQuWAN用のアプリケーションをインストールしてもらえれば、あとはID/パスワードなどで認証した後に、自動でメッシュVPNに参加できます。そのため、BYODなどを気軽に利用しやすくなります」と原氏は解説する。
3つめの要素として、QuWAN はこれらの機能を備えながら、SMB向けの製品のなかでも安価である点が強みだ。パートナー経由で提供されるためオープン価格ではあるが、「他社製品と違って、パートナーからメーカーに払う年間サブスクリプションフィーが不要です。そのためエンドユーザーへ提供される価格も下がっているケースが多いです」と原氏は話す。もちろん、エンタープライズ向けVPN装置を自社ネットワーク内に組み込むよりも安価になることは言うまでもない。
追加投資が不要で、中堅中小企業にとっても利用しやすい価格帯になっていることから、各拠点の無線LANアクセスポイントを更改するタイミングで導入するユーザーも多いという。「エントリーモデルのQHora-301Wでもルーターとして十分なキャパシティがあり、公衆Wi-Fiとしてビジネスに活用しているユーザーもいます」。
SD-WANは大企業向けというイメージも強いが、実は人手不足にあえぐ中堅中小企業にこそ必要なソリューションだといえる。価格も下がっており、十分な機能が手ごろな金額で利用できるようになっている。QuWANはまさにその変化を象徴するようなソリューションであり、中堅中小企業のネットワーク変革の中核を担えるだろう。
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