シスコがビデオコラボレーションと仮想デスクトップの新製品 ―― ビジネス向けタブレットも登場

シスコシステムズが、コラボレーションソリューションの新戦略を発表した。注力領域は、「ビデオ」と「仮想デスクトップ」だ。タンバーグ製品を加えてビデオコラボレーションポートフォリオを拡充。また、仮想デスクトップとコラボレーションを統合して提供することでワークスタイル変革を実現する新ビジョンも発表した。

シスコは今後、すべてのエンタープライズ向けデバイスにビデオ機能を搭載していく――。

シスコシステムズは2010年11月24日、企業のワークスタイル変革を実現するコラボレーションソリューションに関する新戦略を発表した。代表執行役員社長の平井康文氏は、「新しいコラボレーションエクスペリエンスを提供する」と、目的を説明。具体的なソリューションとして、ビデオコミュニケーション関連の新製品を発表するとともに、冒頭の言の通り、今後も継続して映像コミュニケーションを幅広く活用するソリューションを提供していく方針を語った。

シスコシステムズ代表執行役員社長の平井康文氏 国内初披露のビジネス向けタブレット「Cisco Cius」

また、デスクトップ仮想化ソリューションにも注力する。シスコ、EMC、ヴイエムウェア、シトリックス、ネットアップ、ワイズテクノロジーといった大手仮想化ベンダーを包括するデスクトップ仮想化システム「Cisco Virtualization eXperience Infrastructure(VXI)」を発表。加えて、ビジネス向けタブレット「Cisco Cius(シスコ シーアス)をはじめとするVXI対応デバイスを2011年に順次投入する。

●「どこでもビデオ」を実現

ビデオコミュニケーションの活用に関して平井氏は「パーベイシブ ビデオ」という新しいコンセプトを掲げた。「パーベイシブ(Pervasive)」とは、普及する、行き渡る、という意味の言葉であり、「より幅広く、インタラクティブなコラボレーションが必要とされるなか、ビデオの重要性は今後ますます増していく」(同氏)というコラボレーション環境の将来像を示したコンセプトである。

シスコは従来、テレプレゼンスシステムやWeb会議サービス「WebEx」といったビデオコミュニケーション製品を提供してきた。それに加え、先般はビデオ会議ベンダーであるタンバーグも買収。これらの幅広いデバイスやシステムを共通のアーキテクチャの下に提供することで、場所や端末、コンテンツに依存せずにどこでもビデオを活用できるコラボレーション環境を実現するのが、パーベイシブ ビデオの趣旨だ。

シスコのビデオコラボレーション関連エンドポイントのポートフォリオ。「どこでもビデオ」の実現に向けて、今後すべてのエンドポイント製品にビデオ機能を搭載していく

これを実現するための取り組みは、大きく3つに分けられる。

1つ目は、音声とビデオ製品のプラットフォームの統合だ。タンバーグ製品も含めて、音声・ビデオ製品の呼制御を「Cisco Unified Communications Manager(CUCM)」に統合する。今後、シスコの音声・ビデオ製品はすべてCUCMを単一のプラットフォームとして相互接続性が確保される。これにより、利便性の向上はもちろん、導入・運用負荷も大きく軽減されるという。

2つ目は、デバイスの拡充だ。今回発表された新製品は、下記の3種類となる。

テレプレゼンス製品については、エグゼクティブをターゲットとした個人用のエンドポイント「Cisco TelePresence 500」に、従来の37インチタイプに加えて32インチタイプを追加した。1080pの高精細映像に対応し、ワンボタンで会議を開始できる簡易な操作も特徴。WebExとの連携も可能だ。なお、ビデオ会議として使っていないときには、PCの外部モニタとしても使用できる。発売は2011年第1四半期を予定している。

個人用テレプレゼンスのラインナップに追加された「Cisco TelePresence 500 32″」

ナレッジワーカー向けには、HDカメラと21.5インチモニタを搭載したデスクトップ型のエンドポイント「Cisco TelePresence EX60」を2011年第1四半期に発売する。解像度は1080pに対応。HDカメラはオートフォーカス機能も備えており、下に向けると書画カメラとしても使える。8インチのタッチパネル方式の操作端末がついており、シンプルに操作できるのも特徴だ。

省スペース化にも配慮したデスク端末「Cisco TelePresence EX60」右下にある小型端末で操作する

WebExにも新製品が登場する。従来よりも解像度を高めた「Cisco WebEx Meeting Center High Quality」である。参加者のPCやWebカメラ、ネットワーク帯域によってビデオ映像の品質を自動調整する機能や、発言者以外の参加者の映像を表示する「Active Presence」機能なども搭載。また、テレプレゼンスとの接続も、従来に比べて簡略化されているという。

画質および操作性の向上、テレプレゼンスとの接続性など、WebExは大幅に改良された

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