シスコがビデオコラボレーションと仮想デスクトップの新製品 ―― ビジネス向けタブレットも登場

シスコシステムズが、コラボレーションソリューションの新戦略を発表した。注力領域は、「ビデオ」と「仮想デスクトップ」だ。タンバーグ製品を加えてビデオコラボレーションポートフォリオを拡充。また、仮想デスクトップとコラボレーションを統合して提供することでワークスタイル変革を実現する新ビジョンも発表した。

3つ目の取り組みとして、ビデオコミュニケーションサービスを提供するサービスプロバイダ向けのプラットフォーム「Cisco TelePresence Exchange System」も発表した。マネージド型あるいはホスト型でテレプレゼンスサービスを提供するためのもので、会議予約や課金などの機能も備える。また、単一のサービスプロバイダ内で企業間ビデオコミュニケーションを行う場合だけでなく、キャリア間をまたがるビデオコミュニケーションもサポートする。現在、このプラットフォームを用いて、タタ(インド)とBT(英)、タタとテレフォニカ(スペイン)が相互接続サービスを提供しているという。

クラウド型のテレプレゼンスサービスを提供する事業者向けに会議予約や課金機能を備えたプラットフォームも提供する。これも、「パーベイシブなビデオ」を実現するための取り組みの1つだ

●仮想デスクトップとコラボレーションを融合

デスクトップ仮想化の領域については、前述の通り、デスクトップ仮想化システム「Cisco Virtualization eXperience Infrastructure(VXI)」と、これに対応する複数のクライアントを発表した。

デスクトップ仮想化システム「Cisco Virtualization eXperience Infrastructure(VXI)」の概念図

VXIは、シスコのテクノロジーパートナーである仮想化ベンダーが提供するテスト・検証済みのシステムを提供するもので、「デスクトップ仮想化を強化・拡張したフレームワーク」と平井氏は説明。これとコラボレーションソリューションを合わせて提供することで、時間や場所、デバイスに囚われず、いつでもどこでも同じユーザーエクスペリエンスでコラボレーションが行える環境を実現するのがシスコの狙いだ。シスコがデスクトップ仮想化のフレームワークを提供する意義について平井氏は、「データセンターからネットワーク、エンドポイントまで最適化されたアーキテクチャに基づいてエンド・トゥー・エンドのソリューションを提供できるのが強みだ」と強調した。

ネットワークとデスクトップ仮想化、コラボレーションを合わせて提供し、ワークスタイル変革を実現する

このVXIに対応するクライアント「Cisco Virtualization eXperience Client(VXC)」として、3つの新デバイスが発表された。目玉は、すでに6月に発表されているビジネス向けタブレット「Cisco Cius」だ。

VXIに対応するクライアント「Cisco Virtualization eXperience Client(VXC)」

Cisco Ciusは、画面サイズが7インチのタブレット端末で、電話機型のドックに接続して使うこともできる。重さはおよそ500g。OSにはAndroidを採用しており、提供開始時にはAndroid 2.1を搭載する見込みという。通信機能については、WiFi対応版と3G対応版の2タイプを投入する。各種のコラボレーションアプリケーションを搭載し、Tele Presenceとの相互接続も可能だ。なお、発売は2011年第1四半期を予定している。

残る2機種は、省スペースが特徴の「Cisco VXC 2100」「Cisco VXC 2200」。VXC 2100は、同社のIP電話機「Cisco Unified IPフォン 8900/9900シリーズ」の背面に装着するもので、電話機へのPoE給電で動作する。VXC 2200は、スタンドアロン型のクライアントで、PoEおよびACアダプタによる駆動も可能だ。両クライアントとも、VMWare View 4.5およびCitrix XenDesktopに対応している。発売は2011年上半期の予定だ。

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