第1回ではテレビ会議との違い、第2回では導入形態や料金体系などについて見てきたが、最終回となる今回は、機能面に目を向けてみよう。
ASP/SaaS型サービス5つを比較した図表5からもわかる通り、Web会議は実に多種多様な機能を備えるが、主要な機能に限れば「できることには大きな差はない」というのが、各ベンダーともに共通した意見だ。
図表5 ASP/SaaS型Web会議の一覧 [クリックで拡大] |
では、何を基準に利用するサービスを選べばいいのか。肝心なのは、絶対に欠かせない「基本機能」と、用途や目的に応じて要否が変わるその他の機能を分けて考えることだ。基本機能については「品質」をしっかりと吟味し、その他の機能については、自らの目的に必要な機能のみを重視すればよい。
Web会議の基本機能は、映像と音声の交信、ホワイトボード、そして資料共有だ。この4つについては、実際に試用して妥協なく品質を見極めてほしい。
しかもデモ環境ではなく、できるだけ実環境で試すべきだ。なぜなら、PCとインターネットで利用するため、拠点・個人ごとに利用環境が千差万別だからだ。この点、テレビ会議とはまったく別物と考えてよい。デモ環境での品質はアテにならない、と言ってもいい。
なかでも重要なのが音声だ。端末間で双方向にストレスなく会話できるかどうかは、Web会議の使い勝手に直結し、ひいては定着度をも大きく左右する。
この点に力を入れているのがJMSとNTTアイティだ。どちらもスムーズな通話を可能にするための工夫を施している。
JMSのLiveOnは、音声遅延と音切れを回避するための独自の自動帯域制御機能、ジッタバッファ制御機能や、各端末と回線の状況をモニタリングして映像品質を自動調整し音声データの伝送を優先する機能などを搭載している。NTTアイティのMeetingPlazaは、ソフトウェア上でエコーキャンセラ、ノイズキャンセラの機能を実現しているのが特徴だ。