新型コロナウイルスの影響でテレワークの利用が国内でも一気に広がった。移動の時間を省くことができ、家事などとの両立が容易になった一方で、同僚に気軽に意見を求めたり、ちょっとしたコミュニケーションの機会が減り、やりにくさを感じるのも正直なところだろう。
コロナの影響がどこまで続くか不透明な中、この先、働き方はどう変わるのか。ヤマハは、オフィスワークとテレワークそれぞれのメリットを踏まえ、業務内容やチームの役割分担、自分の性格などに応じて選択できる「ハイブリッド型ワークスタイル」があるべき姿ではないかと考えている。
「テレワークも正しい選択肢、オフィスワークも正しい選択肢。業務や自らの状況に適した働き方を選べるべきです」とヤマハ コミュニケーション事業部の平野尚志氏は言う。逆に言えば、テレワークをしたいのにテレワークできない、オフィスワークをしたいのに快適にオフィスワークができない、といった環境は改善していくべきだろう。
オンライン会議が圧迫する既存の無線LANネットワークハイブリッド型ワークスタイルを目指すにあたり、忘れてはならない要素がネットワークインフラ、それも末端のユーザーとサービスをつなぐ「無線LAN」のベースアップだ。
仕事で当たり前のように無線LANが使われるようになって久しい。だが、Wi-Fi 6や802.11acといった新たな規格・仕様が登場しているにもかかわらず、依然として802.11nで2.4GHz帯を使い続けて干渉が発生したり、アクセスポイント(AP)につながるデバイスが増える中、通信速度の遅い端末に足を引っ張られて全体の性能が低下したり、といった症状があちこちで発生している。
特にテレワークに移行してオンライン会議を利用する中、音声が途切れたり、遅延が発生したりで、イラッとした経験を持つ人も多いだろう。そんな小さなストレスが積もり積もれば生産性を阻害しかねない。「リモート会議では映像と音声がリアルタイムに流れるが、こうしたリアルタイム通信はショートパケットで行われるため意外とネットワーク負荷が高い。それが広く使われるようになった結果、無線LANの問題が顕在化しつつあります」(平野氏)