ポリコムジャパン柏木社長「UCで顧客の高品質要求に応える」

テレビ会議システム市場の環境が大きく変化するなか、今年4月1日付けで柏木街史氏がポリコムジャパンの社長に就任した。「ユニファイドコミュニケーション」(UC)への取り組みを強化するほか、通信事業者との連携も重視していく。

――ポリコムジャパンの社長に就任し、約半年が経過しましたが、テレビ会議システム市場をどう見ていますか。

柏木 当社を取り巻く市場環境が大きく変化していると実感しています。テクノロジーの変化はもちろんですが、特に大手のシスコシステムズがタンバーグを買収したということは、それだけ重要な市場に成長したということでしょう。

――パナソニックや日立製作所、NECなど、家電やオフィス機器大手の参入も目立ちます。

柏木 競合他社は、それぞれ脅威ではありますが、一方で彼らは従来からのコラボレーションパートナーでもあります。例えば、パナソニックのグループ会社とはセールスパートナー関係にありますし、NECともワールドワイドでの連携が進んでいます。ですから、競争と協調のバランスを上手く取り、市場を発展させていきたいと思っています。

UC関連の連携を強化

――最近、「ユニファイドコミュニケーション(UC)」関連の発表が増え、戦略のキーワードにしているように感じます。

柏木 ポリコムはワールドワイドでも、ITのビッグネームと比べれば小さな会社です。ですから、彼らと伍していくには、他のプレイヤーとのシナジーを追求し、インターオペラビリティ、スケーラビリティを重視して、テレビ会議ソリューションのパートナーとして選ばれる会社になる必要があります。そのためのキーワードがUC、当社の言葉でいえば「Polycom Open Collaboration Network」(POCN)なのです。

――POCNとはどのようなものですか。

柏木 パートナー各社が持っているUC関連のアプリケーションをポリコムがインターオペレートし、UC環境に対応する包括的なソリューションを、業界や企業規模を問わず、さまざまな組織に提供する戦略のことです。

現在、アバイア、BroadSoft、IBM、ジュニパーネットワークス、マイクロソフトといったUCプラットフォームプロバイダーとPOCNパートナー契約を締結し、例えばIBMの「Lotus Sametime」やマイクロソフトの「Office Communications Server(OCS)」、POCNパートナーではありませんが、NECの「UNIVERGE Sphericall」等とのインターオペラビリティの確保に取り組んでいます。

月刊テレコミュニケーション2010年10月号から一部再編集のうえ転載(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

柏木街史(かしわぎ・まちふみ)氏

1983年東京大学法学部卒業、日本電信電話入社。のちにカリフォルニア大学ロサンゼルス校にてMBAを取得し、NTT America社にてデータセンターサービス担当上級副社長を務めるなど、日本や米国での業務経験を有す。ポリコム入社以前は、NTTコミュニケーションズのネットワーク事業部で、アジアパシフィックの主要キャリアとのコラボレーションをベースに、グローバルネットワークの品質改善チームのリーダーを務めた。2010年4月1日、ポリコムジャパン代表取締役社長に就任。現在に至る

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