IoTエッジ層でのデータ分析を志向する企業が増加傾向 IDC Japan調査

IDC Japanは2020年6月17日、国内IoTインフラストラクチャ市場予測を発表した。2020年の同市場の支出は、支出額は、前年比5.1%増の1048億円になる予測。また、2019年~2024年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は14.6%で、2024年の同支出額は、1971億円になると見ている。

国内IoTインフラストラクチャ市場 支出額予測、2019年~2024年

また、IDCでは、IoTの基本アーキテクチャとして「IoTの3層モデル」を定義している。

IDCが定義する「IoTの3層モデル」

このうち、2020年の国内IoTコアインフラ市場の支出額は、前年比1.7%増の678億円、2019年~2024年のCAGRは10.9%、2024年の支出額は、1117億円になると予測。一方、2020年の国内IoTエッジインフラ市場の支出額は、同11.9%増の371億円、同CAGRは20.9%、2024年の支出額は854億円を見込む。

IoTの普及と共に、IoTデータの分析処理が多様化し、レイテンシー(処理応答時間)やセキュリティの観点から、IoTエッジ層でのデータ分析処理を志向する企業が増えてきている。今年、IDCが実施したユーザー調査でも、IoTコアインフラとIoTエッジインフラに対する予算配分は、今後3年間でIoTコアインフラの割合が減少し、IoTエッジインフラの割合が増加する結果が得られているという。

このことから、国内IoTインフラ市場全体における、IoTエッジインフラ市場の構成比は、2019年の33.2%から、2024年には10.1ポイント上昇して43.3%になると同社は予測している。

さらに、IoTエッジインフラの設置場所は、エッジマイクロデータセンター(基幹データセンター以外のデータセンター)のように、空気が清浄され、室温が調整された空間ではなく、工場内製造ライン近くや屋外といった過酷な環境になるケースが増えると想定している。

IDC Japan エンタープライズインフラストラクチャ リサーチマネージャーの下河邊雅行氏は「IoTエッジインフラにおけるデータ分析処理のニーズが高まり、耐環境性を有するIoTエッジインフラとして、IoTエッジ専用製品の需要が今後拡大する。IoTインフラベンダーは、IoTエッジ専用製品のラインナップを強化し、IoTインフラビジネスの拡大を図ることが必要である」と述べる。

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