VDIからファイル共有、Web会議、VPNまでいろいろ揃う事例でメリットを解説「AWSでテレワーク」

IaaSでシェアNo.1を誇るAWSは、テレワークで使えるサービスも豊富にラインナップしている。その詳細について、AWSジャパンが記者説明会を開催。国内の利用事例を例に挙げながら、VDI、Web会議、コンタクトセンターシステム、VPNなど各種リモートワーク支援サービスのメリットを解説した。

カインズ、AOKIらが採用した仮想コンタクトセンター
「Amazon Connect」は、コンタクトセンターシステムをSaaS型で利用できるサービスだ。これも従量課金制で使えるのが特徴で、コストの最適化を目的に採用される例が多いという。


Amazon Connectの概要

電話およびチャットによる対応が可能で、通話録音やIVR/自動応答、ACD(着信呼自動分配)といったコンタクトセンターに必要な機能群を提供。CRM等との連携も可能だ。

国内での導入例も多く、ホームセンターのカインズ、AOKIホールディングス、住信SBIネット銀行、イープラスなどが、Amazon Connectでコンタクトセンターを運営している。

カインズは、導入・立ち上げの即時性や拡張性を評価してAmazon Connectを採用したという。30分程度でCTIが立ち上げられ、緊急対応時等の増員にも柔軟に対応できるようになった。さらに、AWSの他のサービスやSalesForce CRMとの連携も行っている。


カインズがAmazon Connectを採用した理由と効果

AOKIホールディングスも、Amazon ConnectとSalesForce CRMを連携。お客様相談室の電話対応において、応答率が導入前の60%から80%に向上したという。

需要高まるWeb会議もVPNもAWSで揃う
このほか、テレワークの拡大で需要が高まっているWeb会議やリモートアクセスVPNのサービスもAWSで揃えることができる。

「Amazon Chime(チャイム)」は、250人まで同時接続が可能なWeb会議サービスだ。

ブラウザのみ(アドインは不要)で実行が可能で、AES 256bit暗号化等のセキュリティ機能も備える。瀧澤氏によれば音声品質にも気を配っており、ネットワーク切断時には自動的に再接続する機能により安定した通話が可能という。

「Amazon Client VPN」も、特にここにきて需要が高まっているサービスである。

ハードウェアのVPN装置が不要で、VPN接続数を自動的にスケールアップ/ダウンできるのがAmazon Client VPN最大のメリットだ。現在、在宅勤務を行う社員が急増したことで、VPNのキャパシティ不足に悩まされる企業が増えているが、瀧澤氏は「Amazon Client VPNなら、接続上限を気にすることなく使える」と話した。


AWS Client VPNの概要

日本政府の緊急事態宣言を受けて急遽テレワークの体制を整えるために、このAmazon Client VPNを活用したのがシオノギデジタルサイエンスだ。

在宅勤務を全社に拡大するに当たり、既存のVPN環境のキャパシティ不足を懸念していた同社は、「極めて短いリードタイムでサービスを展開できるVPN環境として『Amazon Client VPN』の利用を企画」(同社担当者)した。

結果、実質3日間で構築・検証、ユーザーへの展開準備を済ませ、約100名への提供と動作検証を完了。4月13日から順次ユーザー数を拡大している。既存VPN環境と合わせて、従来の約4倍程度のVPN同時接続数を確保し、国内シオノギグループの在宅勤務ニーズを概ね満たせるようになったという。


AWS Client VPNのメリット

最後の「Amazon App Strean 2.0」は、デスクトップアプリケーションをストリーミング配信するサービスだ。既存の業務アプリケーションをブラウザで使えるようにすることで、普段利用しているWindowsアプリをリモートワークでも安全に利用することが可能になる。

AWSジャパンでは新型コロナ感染拡大の対策として、これら6つのサービスの無料提供を実施している。

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