位置情報サービス、スマートビル等で急伸Bluetooth端末の出荷は2024年に62億台へ

Bluetoothの普及推進を目的とする業界団体Bluetooth SIGが2020年4月15日に記者説明会を開催し、今後5年間の市場予測を発表した。2019年に46億台を記録した年間出荷台数は、2024年に62億台まで急伸する見通し。新機能「LE Audio」や、IoT向けの機能強化がこの成長を下支えする。

位置情報サービス関連は年30%超で急成長
残る2つの分野「位置情報サービス」「デバイスネットワーク」は、年平均20~30%台の急成長を見込んでいるという。

「位置情報サービス」関連のデバイス年間出荷台数は、2019年の1億3200万台から、2024年には4倍の5.38倍へと急伸すると予測している。スマートフォン等のハンドセットにBluetoothを活用した位置情報サービスの実装が進むほか、人・モノの位置を特定する「タグや在庫トラッカーの出荷が伸びる」とセイビン氏は話した。


位置情報サービス関連のデバイス出荷数予測

こうした活用法について同氏は、Bluetooth 5.1で実装された「方向検知」機能が市場成長に寄与すると強調した。方向検知機能とはその名の通り、Bluetooth電波を発するデバイスのある方向を検知して、スマートフォンアプリ等で確認できるようにする機能だ。この機能に対応したタグ等を財布や鍵といった紛失しやすいものに取り付けておくなどして利用する。

セイビン氏によれば、「今では1m単位の精度だったが、今後cm精度まで向上していく」という。さらに、デバイス間の距離の測定を可能にするための機能強化も予定している。

最後の「デバイスネットワーク」分野とは、オフィスビル内の照明・空調設備を自動制御するなどの制御システムにおけるBluetooth活用を示したものだ。これに関連するBluetoothデバイス出荷台数は、2024年に8億9200万台まで伸びると予測している。年平均成長率は26%だ。


デバイスネットワークの成長要因

セイビン氏はこれに関して、「中国市場の勢いが大きな原動力になっている」と指摘した。いわゆる「スマート照明」を実現するための照明器具、スイッチ、プラグなどにBluetoothの採用が広がっているという。

こうしたユースケースでは、Bluetoothを使って大規模なメッシュネットワークを構築することができる「Bluetooth mesh」が使われるが、Bluetooth SIGではこのメッシュ機能の強化も計画している。信頼性やセキュリティの向上のほか、運用面の強化も図っていくとセイビン氏は話した。

RELATED ARTICLE関連記事

SPECIAL TOPICスペシャルトピック

スペシャルトピック一覧

NEW ARTICLES新着記事

記事一覧

FEATURE特集

WHITE PAPERホワイトペーパー

ホワイトペーパー一覧
×
無料会員登録

無料会員登録をすると、本サイトのすべての記事を閲覧いただけます。
また、最新記事やイベント・セミナーの情報など、ビジネスに役立つ情報を掲載したメールマガジンをお届けいたします。