Sigfoxの学生コンテストが開催 ゴミ出し困難者と災害時の患者選別に最優秀賞

Sigfoxの活用アイデアを学生たちが競う「IoTアイデアコンテスト」が12月14日に開催された。全国の大学、大学院、高等専門学校、専門学校から集まった53件のアイデアの中から、アイデア部門は「家庭用IoTごみ箱で高齢者のゴミ出し支援」、プロトタイプ部門は「電子トリアージ・タッグの高度利用」が最優秀賞を勝ち取った。

「Sigfoxの通信料金は年100円から。さらに通信機器も100円くらいで出せるようになる。これくらいの価格になると、今まで通信サービスの対象にならなかった、まったく想像つかないモノがつながってくるのではないか」と話したのは京セラコミュニケーションシステム(KCCS)代表取締役社長の黒瀬善仁氏。

では一体、どんなモノがつながると、私たちの生活はもっと豊かになるのか――。

KCCSは2019年12月14日、Sigfoxで生活を楽しくするためのアイデアを学生から募集する「IoTアイデアコンテスト」の本選を開催した。

同コンテストの開催は今年が2回目。本選では、書類審査を通過したアイデア部門8件、プロトタイプ部門6件のプレゼンテーションが行われた。Sigfoxの活用アイデアを競うアイデア部門は和歌山大学の中村鴻成さんが発表した「家庭用IoTごみ箱で高齢者のゴミ出し支援」、実際に試作機まで制作するプロトタイプ部門は東京電機大学の宮城裕佳さんと村瀬広太郎さんが発表した「電子トリアージ・タッグの高度利用」が最優秀賞を獲得した。

本選の発表者と審査委員たち
本選の発表者と審査委員たち。プロトタイプ部門の最優秀賞は50万円、優秀賞は10万円、
アイデア部門の最優秀賞は20万円、優秀賞は10万円の賞金が贈呈された

深刻化する「ゴミ出し困難者」をSigfoxで救うアイデア部門の最優秀賞に輝いた家庭用IoTごみ箱で高齢者のゴミ出し支援は、「ゴミ出し困難者」という社会課題をSigfoxで解決しようというもの。

高齢者にとって、大きなゴミ袋や重たい新聞紙などを集積所まで運ぶのは、骨の折れる作業だ。高齢化の進展に伴い、ゴミ出し困難者は深刻な問題の1つとなっており、中村さんによると「53%の自治体がゴミ出し困難者が多くいると回答している」という。

中村さんがこの問題に関心を持ったのも、自分の祖母がゴミ出し困難者と知ったことがきっかけだった。

アイデア部門の最優秀賞を獲得した和歌山大学の中村鴻成さん
アイデア部門の最優秀賞を獲得した和歌山大学の中村鴻成さん(中央)。
右は審査委員長を務めたKCCSの黒瀬善仁社長、
左は特別審査委員のDNX Ventures Managing Directorの中垣徹二郎氏

ゴミ出し困難者の解決策として期待が高いのは、地域コミュニティによる支援だ。地域の人が代わりにゴミ出しを行う。中村さんのアイデアでは。ゴミ出し困難者の家庭にIoTごみ箱を設置し、ゴミがいっぱいになったら支援者に通知する。これにより、地域コミュニティがより効率的に高齢者を支えられるようになる。

また、IoTごみ箱は、高齢者の見守りにも役立つ。ごみの蓄積データを安否確認に活用できるからだ。

IoTごみ箱にSigfoxを活用する必要性は3つあるという。インターネット環境は高齢者宅には少ないこと、送るデータは個人IDとゴミの蓄積量だけとデータ量が少ないこと、高齢者には手間は電池交換の頻度が少なく済むことの3つだ。

家庭用IoTごみ箱のアイデアの概要
家庭用IoTごみ箱のアイデアの概要

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