「監視カメラのデジタル化を加速」―― ネットワークカメラのアクシスが事業戦略説明会

ネットワークカメラベンダーであるAxis Communications AB(本社:スウェーデン・ルンド、以下Axis AB)の日本法人アクシスコミュニケーションズは2010年9月30日、国内事業戦略に関する説明会を開催した。

Axis Communications ABのRay Mauritsson社長兼CEO アクシスコミュニケーションズ代表取締役社長の永久茂氏

冒頭、Axis ABの社長兼CEOであるRay Mauritsson氏は、調査会社IMS Research発表の市場予測データを引きながらワールドワイドの監視システム市場動向について説明。特にアジア市場の成長が顕著で、それと同様、Axis ABの売上においてもアジア地域が他地域を凌ぐ伸びを示した。2010年1月から6月にかけての売上については、北中南米が33%増、欧州・中東・アフリカが26%増、アジアは59%増という。

IMS Researchの調査によれば、Axis ABはアナログ監視システムも含めたカメラ全機種の市場シェアで世界2位(2009年)、ネットワークカメラに絞ればシェア1位を獲得している。その要因の1つが「上位ベンダーのうち、アクシスだけがネットワークカメラに特化して製品を開発している」(Ray Mauritsson氏)点だ。しかも、他ベンダーが監視カメラ以外の領域でも事業を展開しているのに対し、「ネットワークカメラの専業ベンダーとして高い専門知識と技術を持つ」ことが強みになっているという。

この強みは、同社の製品ラインナップの広範さにも表れている。アクシスコミュニケーションズ代表取締役社長の永久茂氏によれば、「2010年に発売する製品だけでも30種以上」。一般的な施設内監視に用いられるスタンダードなモデルはもちろん、昨年からは屋外用カメラや車載用カメラなど、用途ごとに特化した製品も多数ラインナップしている。特に屋外用については、雨露に耐えるハウジングを装着した形で出荷し、梱包から出してそのまま屋外に設置できる簡便さを売りにした「アウトドアレディモデル」を充実させている。

幅広い製品ラインナップがアクシスの特徴の1つ。赤色で示されているのはHD映像対応機種で、高精細映像を活用することでネットワークカメラソリューションの付加価値を高めていく

また、直販を行わず、販売パートナー網を世界中で展開する同社らしく、「設置業者や販売店の方々のカメラ設置作業を簡略化するツールも充実させている」(永久氏)。

監視カメラシステムの市場では従来、アナログカメラからネットワークカメラへの移行が進んでいる。アナログでは実現不可能な映像の高精細化や、LAN/WANを介した遠隔監視・大規模監視の実現がその牽引要素になってきた。監視システム市場では今後さらに、アナログからデジタルへの移行が加速すると考えられるが、アクシスでは製品力とともに、パートナーとの連携強化に注力することで市場シェアをさらに高めていきたい考えだ。

業種別の“デジタル化率”を示したデータ(IMS Research)。水色がネットワークカメラ、紺色がアナログカメラで、医療教育や運輸・官公庁でデジタル化が進んでいるのに対し、小売・金融は依然としてアナログの割合が高い

具体的には、同社のチャネルパートナープログラム(CPP)を通して、従来アナログ監視システムを取り扱ってきた販売店・設置業者も含め、高付加価値なネットワークカメラソリューションを提供するための情報提供や技術教育の機会を提供していく。合わせて、アクシス製品を活用したソリューションを開発するアプリケーションデベロップメントパートナー(ADP)との連携を強化。豊富な海外事例で培ったノウハウを国内に注入し、小売や交通・運輸、金融、市街地監視など幅広い業種に対して高付加価値なソリューションを提供していくという。

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