IoT時代とハッカー サイバー犯罪へのスカウト手口とホワイトハッカーの育て方

スパイ映画や犯罪映画にはスゴ腕のハッカーがよく登場するが、現実のハッカーとはどんな人たちなのだろうか。サイバー犯罪者の実像やスカウト手法、日本のホワイトハッカー育成の取り組みなどについて、日本ハッカー協会 理事の園田道夫氏に聞いた。

すっかり“日常化”したといえるサイバー攻撃――。だが、サイバー攻撃を行うハッカーの実像については、ほとんどの人にとってベールに包まれたままだろう。彼らは一体どんな者たちなのか。

1月25日(金)公開の映画『サイバー・ミッション』は、サイバーテロをめぐるハッカー同士の攻防を描いた映画だ。

韓国の人気男性アイドルグループ「SUPER JUNIOR」の元メンバーで俳優のハンギョンが演じる主人公は、一見冴えない普通のオタク青年。だが、コンピューターに関してはハッカーコンテストで優勝するほどのスキルを持っている。その腕を見込まれた彼は、犯罪集団に脅され、最高難度のハッキングに取り組む。犯罪集団のボスは山下智久が演じる。

これは映画の話だが、日本ハッカー協会 理事の園田道夫氏によれば、コンピューターに詳しい若者がサイバー犯罪の道に引きずり込まれることは、日本でも現実に起きているという。

「一般的な犯罪と同様、サイバー犯罪者の個人的な背景はいろいろですが、我々が懸念しているのは、若年層によるサイバー犯罪が最近増えていることです。ここ数年、日本ではティーンエージャーによるサイバー犯罪が最も多くなっています」

彼らは何をきっかけに、悪事に手を染めていくのか。若者を誘い込む手口の一例はこうだ。

「まずハッカーが集まる掲示板に『ウイルスを作るツールがあるらしいけど、知ってる?』といった投稿をします。そして、返事を投稿した人に対して、「君はスゴイ!よく知っているね」などとおだてながら、『いい小遣い稼ぎになるから』とサイバー犯罪の実行をそそのかしていくのです」

なお、ハッカーという言葉は、サイバー犯罪者と同義で使われることもあるが、本来はコンピューターやネットワークに関する高度な知識やスキルを持った人のこと。その力を正しく使う「ホワイトハッカー」もいれば、悪事に利用する「ブラックハッカー」もいる。日本ハッカー協会は、ホワイトハッカーの地位向上と活躍により、ネット社会の安全と健全な発展を目指す団体だ。

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