KDDIおよびKDDIアセットマネジメントは2018年10月24日、個人向け確定拠出年金サービス「auのiDeCo」の提供を開始すると発表した。
(左から)KDDI 金融・コマース本部 副本部長の臼井朋貴氏、KDDIアセットまねじめんと代表取締役社長の藤田隆氏 |
iDeCoとは、加入者が毎月一定の掛金を投資信託や定期預金などで積み立て、60歳以降に年金または一時金で受け取る私的年金制度。積立金の全額所得控除、運用収益の非課税、受け取り時の「退職所得控除」「公的年金等控除」の適用と3つのタイミングで税制優遇を受けることができる。
iDeCoの加入者は今年8月末時点で100万人を突破したが、対象となる総人口の約1.5%にすぎない。また、20~30代の加入者は全体の約24%にとどまっている(厚生労働省調べ)。iDeCoは積立・運用期間が長いほど節税効果も大きい。しかし、「『手続きが面倒』『投資をするのは不安がある』など、若い世代にとって心理的ハードルが高いのではないか」とKDDIアセットマネジメント代表取締役社長の藤田隆氏は指摘する。
これに対し、au iDeCoは申込から運用状況の確認、運用商品の見直しまで年金管理に必要な機能をスマートフォンのアプリに集約。節税金額を資産するシミュレーションや毎月の掛金拠出額の状況、運用実績をアプリ上で確認できる。
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資産残高確認画面のイメージ |
また、一般的なiDeCoサービスの場合、「運営管理手数料」が毎月発生するが、auのiDeCoはKDDIアセットマネジメントに支払う手数料を永年0円(無料)で提供するので気軽に始めることが可能だ。商品プランも①元本確保型の三菱UFJ銀行確定拠出年金専用1年定期預金、②比較的低リスクの国内債券を中心にした安定性重視のauスマート・ベーシック(安定)、③国内債券をメインに株式でリターンも狙うauスマート・ベーシック(安定成長)、④海外株式で積極的にリターンを狙いつつ債券でリスクを抑えるauスマート・プライム(成長)、⑤国内外の株式の割合が高くハイリスク・ハイリターン型プランのauスマート・プライム(高成長)の5つに絞っている。
「auのiDeCo」は5つの商品プランから自由に組み合わせることができる |
さらに、投資信託4商品については、運用残高に応じた信託報酬の還元として、auユーザーであれば「WALLET ポイント」が最大0.1%、またauユーザー以外にはWowma!で使える「Wow!スーパーポイント」が最大0.05%付与される。例えば25歳から35年間、毎月2万3000円を積み立てると、運用益に加えて、約186万円の節税と約19万ポイントの付与が享受できるという。
平日9時~20時、土日9時~17時のカスタマーサービスセンターも用意することで、「投資の初心者も不安なく始められる」とKDDI 金融・コマース本部 副本部長の臼井朋貴氏は述べた。
auのiDeCoは、スマホのアプリから申し込むことができる。au IDまたはWow!IDを持っている場合、IDでログインすれば氏名や住所が自動入力される。申し込み後、KDDIアセットマネジメントから加入手続きに必要な書類が発送されるので、必要事項を記載し、提出する。国民年金基金連合会の審査等のため、手続き完了まで1カ月~2カ月程度かかる。将来的には、紙による書類手続きをスマホで行えるようにしたいとしている。