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NTTコミュニケーションズの庄司哲也社長 |
ICTの活用でビジネスを変革したり、新たなビジネスを創出するデジタルトランスフォーメーション(DX)が注目を集めている。しかし、何から取り組めばいいか分からなかったり、DXを実現して何が変わるのか分からない、と悩む企業が少なくないという。「NTTコムはそうした企業に寄り添い、共にDXを実現する信頼されるパートナー、すなわちDX Enabler(DXイネーブラー)を目指したい」と庄司社長は語った。
続いて、DXが実現された2030年頃にビジネスがどのように変化しているのか、「マーケティング」「ビジネスプロセス」「ワークスタイル」の3つに分けて動画が紹介された。いずれのシーンでもDX実現の重要な要素となっているのが、ビッグデータだ。企業の活動や個人の行動はデジタルデータ化され、そこから得られるビッグデータを分析・加工し、付加価値化するようになると予想する。
このようにデータをインフォメーション、インテリジェンスへと進化させることでDXが実現するため、庄司社長は「データを収集・蓄積・分析するためのプラットフォームが求められる」と指摘。「NTTコムとしてもデータ利活用に最適なデータ流通プラットフォームを展開したい」と述べた。
NTTコムのデータ流通プラットフォームは①柔軟なアーキテクチャー、②豊富な機能のラインナップ、③データを安心して預けられるセキュリティ・マネージドサービスを特徴とする。
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NTTコムのデータ流通プラットフォームの3つの特徴 |
まず柔軟なアーキテクチャーについては、これまで培ってきたSoftware-Defined技術をさらに発展させ、仮想化された様々な機能をユーザーのICT環境の中で最適な場所に配置するマルチオーケストレーターの開発に取り組んでいる。
クラウド上のサーバーやストレージは専用のコントローラーで管理する必要があったが、インフラだけでなく仮想化された機能も含めて一元的にコントロールすることで、迅速な対応が可能になる。
例えば、工場機械の稼働データを収集・活用を例に取ると、データを収集するためのネットワーク、データを保管するストレージ、さらにセキュリティ対策などを準備する必要があり、膨大な手間と時間がかかる。しかし、このデータ流通プラットフォームがあれば、ポータルから要望を伝えるだけで、必要な機能が自動的に配置され、すぐに利用することができるという。
マルチオーケストレーションは、NTTグループの「コグニティブ・ファウンデーション」と呼ばれる仕組みを活用。また、IoTデバイスとしてエッジからのデータ収集をより効率的に行えるeSIMを国内でも提供するとともに、国内外でのIoT利用を想定し、フルMVNOサービスも提供する。