流通・製造では今後、労働力不足が深刻な課題であり、店舗内業務の省人化・効率化で顧客満足度の向上を図ることが不可欠となる。
店舗内業務の省人化・効率化による顧客サービスの高度化が必要になる |
その解決策に、IoTを活用した店舗のスマート化がある。OKIは小売チェーンのベイシアと組み、「レジ適正台数見える化」「レジ混雑予測」サービスからなる店舗業務改善支援ソリューションを開発、提供している。
スーパーや小売店舗におけるクレームの最大の要因が混雑だ。一般的に、女性と比べて男性は店舗における滞留時間が短いとされることから、レジ混雑予測はOKIの顔認識技術を使って年齢や性別を判定、客層に合わせて混雑する30分前に対応し行列を未然に防止する。
そして4つめの海洋だが、「日本は海に囲まれているからこそ、IoTを活かす必要がある」(坪井氏)という。一例が海洋の警備や防犯だ。電波は水の中を通らないため、代わりにIoTの音響センシング技術を活用した「水中音響沿岸監視システム」をOKIは開発している。水上・水中からの侵入をリアルタイムに検知し、沿岸のプラントやインフラ施設への脅威に水際で対策を講じることができる。
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センシング情報を活用した各システムをメッシュに接続し、持続可能な社会の実現を目指す |
坪井氏は「5Gの特徴を活かすことで、これからまったく違う世界が広がっていく。それは(商用サービスの始まる)2020年を待たなくても、すでに様々なかたちで行われている」と述べ、講演を締めくくった。