京セラが決算説明会を開催――コミュニケーションは通信モジュールとLPWAに注力

京セラは10月31日、2018年3月期第2四半期(2017年4~9月)決算説明会を開催した。

京セラの谷本秀夫社長

上期は情報通信や自動車向けの部品が好調で、売上高は前年同期比13%増の7383億4500万円で上期としては過去最高を記録。営業利益は同105.7%増の695億500万円と約2倍となった。

下期も引き続き部品需要の拡大が予想されることから、通期予想を上方修正した。通期の売上高は同9.6%増の1兆5600億円、営業利益は同29.1%増の1350億円を見込んでいる。

京セラは今年4月以降、事業セグメントを「産業・自動車用部品」「半導体関連部品」「電子デバイス」からなら部品事業、「コミュニケーション」「ドキュメントソリューション」「生活・環境」からなる機器・システム事業に「その他」を加えた7つに変更。各セグメントごとに、事業拡大に向けた取り組みを行っている。

7つのセグメントに分類し、各セグメントごとに事業拡大に取り組む

コミュニケーションのセグメントで注力しているのが、通信モジュール事業とLPWAネットワーク事業の2分野だ。

通信モジュール事業については、車載向けモジュール開発で培った通信技術を今後成長が期待されるLPWA(Low Power Wode Area)に応用・展開する。

その第1弾として今年8月に発表した「IoTユニット」は、温度や湿度、気圧など8つのセンサーとアンテナ、電源、バッテリーを内蔵する手のひらサイズの製品。LTEネットワークを活用するLPWA規格のLTE Cat.M1(LTE-M)とNB1(NB-IoT)をサポートするため、カバーエリアが広い点を特徴とする。
谷本秀夫社長は「発表以来、多くの引き合いがある。通信キャリアと一緒に、農業など様々な部にゃでサービスを構築していきたい」と語った。

「IoTユニット」は発表以来、多くの企業から引き合いがあるという

LPWAネットワーク事業では、京セラコミュニケーションシステム(KCCS)が今年2月に「Sigfox」のサービスを開始した。

データセンターや基地局の設置保守などで培ったエンジニアリング力を活かし、2018年3月に全国主要都市、2019年3月に人口カバー率85%、2020年3月に同99%までエリアを拡大する計画。

エリア整備と併せてパートナー企業の開拓にも取り組んでいる。このうちミツウロコクリエイティブソリューションズ、NECと組み、国内初のSigfoxを使ったLPガス検針・配送サービスを2018年以降に開始する予定だ。

Sigfoxはパートナー企業の開拓も強化している

Sigfoxは2020年度に通信料金の売上高100億円を目標としている。だらなる売上拡大に向けて「ソリューションによる付加価値を考えていきたい」(谷本社長)という。

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