物流センターのIT化従来までのIT化の中心は、WMS(Warehouse Management System:倉庫管理システム)です。WMSは、すべての入庫データ、出荷データ、ロケーションデータ(商品の置かれた棚やラックの番地)を管理するシステムです。
このWMSを中心に、「マテハン(マテリアルハンドリング)機器」と呼ばれる、商品の保管や移動に利用する機器を組み合わせて、センター内オペレーションを実施しています。
ここで、基本的な物流センターの業務の流れを確認しておきましょう。
入荷 → 保管 → 在庫管理 → ピッキング → 梱包(パッキング) → 出荷
扱う商品の種類にもよりますが、従来は、出荷する商品を棚やラックから取り出す(ピッキングする)ために、作業員がカートを押してセンター内を歩き回っていました。
「必要な商品がどの棚にあるか」は、WMSから出力された伝票を参考にします。少し進んだセンターでしたら、作業員が携帯するハンディターミナルに伝票内容が表示されたり、DPS(デジタル・ピッキング・システム)を導入し、商品の位置を分かりやすくしているケースもあります。
DPSとは、棚やラックの各商品が置いてある間口すべてに電光表示板を設置し、次にピッキングすべき商品の表示板にピッキングすべき個数を表示することにより、作業員のガイドとなる機能です。
一方で、アマゾン、アスクル、ニトリなどは、AIとロボットを活用することにより、作業員が歩き回る必要のないシステムを構築し始めてます。
将来的には、ネット通販の物流センターでも、限りなく無人の運用が可能になるはずです。