「私が誇りをもってお伝えしたいのが財務、業績の部分だ。昨年は売上高が50億ドル近くに達するなど、売上高と利益の両方で成長している」
このように業績の好調ぶりをアピールしたのは、米ジュニパーネットワークス CEOのラミ・ラヒム氏だ。
好業績を牽引するのは、クラウドプロバイダー市場での成功だ。「ジュニパーはクラウドプロバイダーの市場でどれくらい成功するのか――。投資家たちはそこから、我々が変化に対して正しいことを実行しているかを判断しようとしているが、対前年比25%の成長を遂げることができた」
ラヒム氏はこう述べたうえで、「従来我々はルーティングの領域で強みを見せてきたが、ここ数年はそれに加えて、データセンターやキャンパス向けのスイッチングでも成功してきた」と語った。特にデータセンター向けスイッチのQFX製品ファミリーは対前年比50%以上も伸びたという。
ジュニパーの直近の業績
さらにラヒム氏は今後の戦略としても、クラウドトランスフォーメーションに注力すると説明。具体的にはパブリック/プライベートクラウドや通信事業者のTelcoCloud(テルコクラウド)、自社ソリューションのサービス提供などに力を入れていくとした。
「私はジュニパーのCEOとして、正しいところにフォーカスすることが成功につながると考えている」。今後もクラウドが“正しいところ”であり続けるというのが、ラヒム氏の意見だ。
クラウドがジュニパーの戦略の軸
「日本市場については大変ポジティブに捉えている」ジュニパーは日本市場でも、クラウドにフォーカスしている。
「ジュニパーというと、サービスプロバイダー、すなわち通信キャリアのコアルーターなどに広く使われているというイメージを持っている方も多いと思う。もちろんキャリアは我々のビジネスの根幹だが、クラウドプロバイダーへのルーター、スイッチ、セキュリティの導入も非常に増えている」と日本法人の代表取締役社長を務める古屋知弘氏は語った。
ジュニパーネットワークス 代表取締役社長 古屋知弘氏
また、エンタープライズや学術・公共でも順調に採用実績が積み上がっているそうだ。
通信キャリア以外の主な導入実績
今後の日本市場については、「大変ポジティブに捉えている。日本に関しては、これから非常に伸びていくだろう」と強気の見通しを古屋氏は示した。
例えば、「通信インフラについては動画が年々、倍々で増えており、ネットワークへのプレッシャーも当然増大している」ことから、投資拡大が期待できるという。
また、IoTに関しても、「日本の製造業は非常に高度な技術を持っている。クラウド基盤とセキュリティの2つの領域でソリューションを提供できるのではないか」と語った。