IoTビジネスカンファレンス 講演レポート工場の見える化を実現するためには各部門の担当者が欲しいと考える情報を欲しいタイミングで供給するシステムが必要

ロックウェル オートメーション ジャパンの畝 忠孝氏は、工場の部門や職位によって必要とするデータが異なること、また必要とするデータが様々なシステムに分散していることが工場を見える化する際の課題となっているとした上で、その課題を解決するソフトウェアとしてFactoryTalk VantagePoint(以下、FactoryTalk)の機能について説明するとともにその導入実例を紹介した。

トヨタの米国工場が塗装品質の改善に活用FactoryTalkの機能紹介に続いて、畝氏は同ソフトウェアの導入事例を2つ取り上げた。1つ目はトヨタ自動車の米国工場における事例である。従来、この工場の塗装ラインでは1日単位で塗装不良報告が行われていたが、FactoryTalkを導入してリアルタイムに状況把握する仕組みを構築した。それによって異常や注意情報をリアルタイムで作業者が受け取ることができ、塗装不良が生じる前に対策をとることによって再塗装作業が格段に減少し、品質向上と生産コスト削減を実現した。同工場は、既存システムにFactoryTalkサーバを外付けで設置し、そこにデータを集めてKPIを分析する仕組みを構築した。この事例は既存のシステムや生産設備を止めることなくFactoryTalkを導入したケースである。

2つ目は移動式水圧破砕機を中心としたトラックメーカーのM.G.Bryanの事例である。同社はFactoryTalkを導入してトラックが稼働している位置を把握するシステムを構築した。またトラックの制御システムがもつデータをモニタリングする機能も構築した。それによって、ユーザーにトラックの部品が交換時期を迎えていることをアラームで知らせるとともにモバイル機器を通じてユーザーが部品の注文を行えるサービスを提供している。メーカーとしてモノを提供するビジネスに加えて保守サービスから大きな収入を得るという新しいビジネスモデルを実現したケースといえる。

畝氏は「製造業は見える化機能を活用することによって新しいビジネスを創造することができるようになる」と講演を締めくくった。

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