「位置情報」が生む新マーケット[後編]――増える企業導入、狙いは“業務改革”

位置情報ビジネスの広がりが期待されているのはコンシューマー市場だけではない。位置情報を活用した法人向けソリューション市場も活性化している。

前編ではコンシューマー向けのサービス提供を中心に話を進めてきたが、法人向けソリューションの分野でも「モバイル+位置情報」の活用領域は広がりそうだ。

ナビッピドットコムは、GPS搭載携帯電話が市場に登場し始めた02年から位置情報サービスを手がける、この業界においては老舗的存在。社員の携帯電話の位置をPC画面上の地図にマッピングし、現在位置の補足や、行動軌跡の分析などによって業務効率化を実現するASPサービス「DP2」を提供している。ASP型であること、マルチキャリア対応であることなどから、既存の携帯電話が同社のアプリに対応していれば、初期投資なしで導入できる。

ナビッピドットコムの位置情報ASPサービス「DP2」
ナビッピドットコムの位置情報ASPサービス「DP2」の画面。自動測位される位置情報のほか、ステータス情報も入力できる。一定時間内の移動エリアを表示して行動を分析することも可能だ

DP2は自動測位する位置情報と社員が入力するステータス情報――移動中・作業中・待機など――を合わせて管理・表示できる。活用例としては、例えば保守メンテナンス業がある(図表)。

図表 保守メンテナンス業での「DP2」の活用例
図表 保守メンテナンス業での「DP2」の活用例

顧客企業で緊急に対応すべき事態が生じ、現場に向かわせる作業員を選ぶ場合、現在地が近い者を選ぶのが定石だが、必ずしもその者がすぐに対応可能とは限らない。DP2では、取引先や顧客企業などユーザーが自由に「スポット」を登録でき、そのスポットを中心に社員の位置とステータスを表示できる。目的地に近くかつ即座に対応できる者を画面上で把握して指示できれば、顧客対応が迅速化できる。

月刊テレコミュニケーション2010年7月号から一部再編集のうえ転載(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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