「位置情報」が生む新マーケット[前編]――動き始めた“ARビジネス”

位置情報の活用領域が拡大し始めた。モバイルと位置情報の連携により、ユーザーの“いま”に即応したサービスを提供。今後のモバイルビジネスの鍵を握る要素といっても過言ではない。

「“いまここで欲しい”情報を、ユーザーにタイムリーに届けられる」「フィールドワーカーの業務の仕方が変わる」――。

位置情報サービスを展開する事業者は口々に、モバイル端末と位置情報を組み合わせることで、人の生活行動や企業の業務のやり方に大きな変化をもたらせると語る。モバイルビジネスにおいて、位置情報の重みはますます増している。

GPS測位機能は携帯電話/スマートフォンのいまや“標準機能”となった。総務省の試算では、2011年には9000万台のモバイル端末にGPS機能が搭載されるという。位置情報と連動したサービスやアプリケーションの利用環境が広がると同時に、従来はナビゲーションや地図の表示などが中心だった位置情報の活用領域が、さまざまな分野に拡大し始めている。

コンシューマー向けサービスの分野でまず注目されるのは、ユーザーの現在位置をベースに、“次の行動”をアシストするための情報を提供する「行動支援型」あるいは「エージェント型」などと呼ばれるサービスだ。リアルタイムな状況とスケジュール情報、行動履歴を分析するためのライフログなど各種の情報を組み合わせることで、従来なかった新しい体験をユーザーに提供できる。

代表例は、NTTドコモのiコンシェルだ。ユーザーのライフスタイルや現在地・時間に合わせた情報の配信、スケジュールに登録された場所までの経路検索など、位置情報の自動測位機能「オートGPS」と連携した各種の機能を提供している。

こうした行動支援型サービスは通信事業者が最も注力し、今後のサービス戦略の柱ともなるものだ。位置情報はその要と言える。

月刊テレコミュニケーション2010年7月号から一部再編集のうえ転載(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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