昨年カーシェアリング事業を始めた三井不動産リアルティは、2016年11月1日から会員制の駐車場シェアリング事業「toppi!(トッピ!)」を開始する。
「当社の『三井のリハウス』はリハウスが動詞化し、“リハウスする”と広く一般的に使われるようになった。toppi!も、“この駐車場とっぴしよう”と動詞化して使ってもらいたい」。こう述べるのは、三井不動産リアルティ リパーク事業本部事業推進部長の吉田儒央氏だ。
三井不動産リアルティ 常務執行役員 リパーク事業本部長の片岡純市氏(左)、同社リパーク事業本部事業推進部長の吉田儒央氏 |
toppi!は、「取った!」「もらった!」を意味する「とっぴ」から名付けたという |
同サービスは当面、10万人の会員獲得を目標にするというが、三井不動産リアルティ 常務執行役員の片岡純市氏は「最終目標は1000万~1500万会員。これからいろいろな施策を打っていく」と意気込む。
オーナーは初期投資が不要に!toppi!のサービススキームは、三井不動産リアルティが土地オーナーから遊休地などを提供してもらい、駐車場として登録する。駐車場を利用したい会員は、予約用のスマホアプリや専用サイトから駐車場を検索・予約。駐車場代はクレジットカード決済され、その約60~70%が土地オーナーに支払われる。
toppi!のサービススキーム |
toppi!のシステムは、エスキュービズムの駐車場予約・決済システム「eCoPA」をベースに、カスタマイズして開発。そのため2カ月という短期間でリリースできたという。
エスキュービズム 代表取締役社長の薮崎敬祐氏(左)、同社取締役の武下真典氏 |
toppi!のベースとなっているeCoPAは、ユーザー(駐車場利用者)向けの機能と管理者(土地オーナー)向けの機能が基本機能としてある。toppi!では、法人向け機能の決済機能やSNSログイン機能などをカスタマイズで追加しているという |
これまで遊休地などを駐車場として活用する場合、フラップ板(駐車スペースの路面に設置する機器)や精算機を導入する必要があり、その負担が初期コストととして土地オーナーに大きくのしかかっていた。しかし、システム上で決済まで行うtoppi!を利用すれば、それらの駐車場システムが不要になる。
駐車場を予約できる会員は、個人だけでなく法人も対象だ。toppi!を開発したエスキュービズム 取締役の武下真典氏は、「従来からの駐車場事業『三井のリパーク』のユーザーには法人が多い。そこでtoppi!には法人会員用の機能を追加した」と紹介した。
その機能とは、クレジットカード以外の決済機能だ。11月1日時点ではまだ対応しないようだが、「次のステージでは、法人はコーポレートカードや請求書でも支払えるようにする」(吉田氏)と言う。