<特集>SDN&NFV導入後のリアル:WAN/クラウド事業者編(1)大手キャリアとの差別化を「SDN/NFV」で図る

クラウドやWANサービスを提供する事業者はSDN/NFV技術を使って自社のサービスをどのように進化させているのか。実際に導入・運用する中で見えてきた課題も含めてレポートする。まずはIIJの取り組みを紹介する。

SDN/NFVの導入によって、WANの構成をユーザーが柔軟に変更したり、仮想ファイアウォール(FW)やリモートアクセス、Webフィルタリングといった機能をオンデマンドに使える新しい形態のWANサービスが登場している。IIJが2015年9月に提供を始めた「IIJ Omnibusサービス」もその1つだ。

IIJ Omnibusのサービス基盤は、VMware製品と、IIJ独自技術の組み合わせで実現されている(図表1)。

図表1 NPS技術要素とポイント
図表1 NPS技術要素とポイント

仮想基盤には、ハイパーバイザー「VMware ESXi」と、ネットワーク仮想化プラットフォーム「VMware NSX」(以下「NSX」)を採用している。そして、NSXのAPIを使ってネットワーク構成変更などを行う「SDNオーケストレータ」はIIJが独自に開発した。NFVによって仮想基盤上に配備されるFW等の機能をユーザーに提供するゲートウェイ機能「NPS」もIIJ独自のものだ。

コア技術を自社開発した理由について、IIJ・サービスプロダクト事業部サービス推進部長の林賢一郎氏は「サービスの構成要素はSDN/NFVだけではない。SDNオーケストレータはバックオフィスともつながなければならないし、お客様の要望を満たすために物理アプライアンスとの接続も必要になる。どうしても独自開発にならざるをえない」と話す。

月刊テレコミュニケーション2016年7月号から一部再編集のうえ転載
(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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