IoTで高付加価値化を狙う!損保ジャパン日本興亜の自動車保険

損保ジャパン日本興亜は、自動車保険の個人契約者向けにスマホアプリを開発した。ゲーミフィケーションなどを通して契約者の交通事故の低減を促すとともに、新規顧客の獲得にも活用する。

付加価値は「安全・安心・快適」同社リテール商品業務部企画・収支グループ課長代理の荒井純一氏によれば、個人向けのPSRは、「提供を開始してから約3カ月でダウンロード件数が2万件に達している」。

好評を得ているPSRは、「安全」「安心」「快適」という3つの付加価値を自動車保険の契約者に提供する。

運転診断結果とヒヤリ・ハット
運転診断結果とヒヤリ・ハットの回数はアプリ画面に表示される(左)。診断結果に応じてメダルを貰える

1つ目の安全機能では事故を低減するために、GPSセンサが取得する走行データを加速、減速、ハンドリング、エコドライブの観点から解析する。運転の診断結果の点数やヒヤリ・ハットの回数などをアプリ画面に表示する他、一人ひとりの運転特性に応じたアドバイスを行う。それにより、ドライバーの意識が安全運転に向くよう働きかける。

さらに、ドライバーが持続的に安全運転に努めるよう誘導する仕掛けも作り込んだ。

「法人向けのスマイリングロードで『ほめる』ことがドライバーの安全運転に効果があると分かった」と杉本氏は話す。具体的には、法人向けサービスでは安全運転をしているドライバーにマイル(ポイント)を付与し、貯めたマイルで懸賞応募できる仕組みを採用したところ、それがドライバーにとって、楽しみながら安全運転を心掛ける1つのモチベーションとなったという。

そこで、「個人向けのPSRにも、何らかの形でゲーミフィケーションの要素を取り入れられないかと考えた」(杉本氏)。

その1つが運転診断の点数や走行距離に応じてメダルを付与するというものだ。セーフティ、アクセル、ブレーキなどの項目に対して、それぞれゴールド、シルバー、ブロンズのメダルを用意した。安全運転の技量が上がるにつれ、上位のメダルが得られる仕組みだ。

もう1つが、運転診断結果の点数をもとにした全国ランキングで、アプリ画面を見れば自分の順位が分かる。点数が高くなれば順位は上がる。

PSRの2つ目の付加価値である安心は、契約者が事故に遭遇したときにスムーズな事故対応を支援するなど、ドライバーに安心感を提供する。アプリのTOP画面にある「事故連絡」のアイコンをタップして緊急連絡先を呼び出すと、ワンタッチで同社の事故サポートセンターに電話が繋がる。電話番号を入力しなくてもすぐに相談ができる仕組みだ。警察・消防への電話も同じくワンタッチで行える。損保会社らしい機能といえる。

救急車の手配、警察への連絡、損保ジャパン日本興亜の事故サポートセンターへの連絡はワンタッチで行える

3つ目の機能として、快適さをもたらすのはカーナビ機能。到着時刻の予測や渋滞回避などの精度が高い、ナビタイムジャパンのカーナビアプリを利用できるようにした。ガソリンスタンドの給油価格やトイレなどの情報も提供している。利用者からは、「ナビタイムのアプリが利用できるのもうれしい」という声が届く。評価は上々だ。

月刊テレコミュニケーション2016年7月号から一部再編集のうえ転載
(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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