IoTで高付加価値化を狙う!損保ジャパン日本興亜の自動車保険

損保ジャパン日本興亜は、自動車保険の個人契約者向けにスマホアプリを開発した。ゲーミフィケーションなどを通して契約者の交通事故の低減を促すとともに、新規顧客の獲得にも活用する。

「自動車保険の支払いに見合う付加価値を顧客に提供し、かつ顧客と日常的に接点を持ちたい」。こう話すのは、損害保険ジャパン日本興亜リテール商品業務部企画・収支グループリーダーの杉本光祐氏だ。

自動車保険の契約者が保険の価値を実感するのは主に交通事故に遭遇したときだ。しかし、事故に遭う契約者は約10%程度。多くの顧客は保険料を支払っているものの、保険金を得る機会は少ないのが現状だ。

そうした事情もあり、保険会社と契約者の接点はほとんどなく、1年に1度訪れる保険契約更新のタイミングのみというケースが大半を占めている。

そのような中、同社は2016年1月、自動車保険の個人契約者向けに無料のスマートフォンアプリ「ポータブルスマイリングロード(PSR)」の提供を開始した。IoTというデジタル技術で自動車保険に付加価値を与えながら、契約者と密な関係を築くことが狙いだ。

損害保険ジャパン日本興亜
損害保険ジャパン日本興亜 リテール商品業務部 企画・収支グループリーダーの杉本光祐氏(左)、同グループ 課長代理の荒井純一氏

法人サービスでは事故が20%減個人契約者向けのPSRに先立ち、同社は15年3月に法人契約者を対象に「スマイリングロード」という安全運転サービスをスタートさせている。

これは、車両に搭載した通信機能付きドライブレコーダーから得られる走行データを収集・解析し、ドライバーの安全運転診断を行う法人向けの有料サービスだ。ドライバーの安全運転意識を向上させたり、管理者が効率的にドライバーを指導できるよう支援する。

スマイリングロードを導入した企業全体の交通事故件数は導入前と比較して約20%減少した。その成果を踏まえ、個人向けサービスとして開発したのがPSRだ。

ドライブレコーダーから走行データを収集している法人向けサービスに対して、個人向けのPSRは、スマホに搭載されたGPSセンサから走行データを得る。そのデータは、モバイル回線を通じて同社のサーバに送信され、損保ジャパン日本興亜が自社開発したソフトウェアで解析する。

月刊テレコミュニケーション2016年7月号から一部再編集のうえ転載
(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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