AWSを上手に使いこなすためのネットワークソリューション入門[後編]AWS Direct Connectの「3つのメリット」と「導入方法」を理解する

国内企業によるAWSの採用が加速しているが、多くの企業はAWSと社内イントラの間を閉域網で接続できる「AWS Direct Connect」を活用している。今回は、AWS Direct Connectのメリットを整理するほか、その具体的な仕組みと導入方法を紹介する。

AWS Direct Connectの主要サービスの選び方のポイント

AWS Direct Connectのサービスは、様々な通信事業者やクラウドインテグレーターから提供されている。そのなかから、どのサービスを選べばいいのか。最後にサービス選定するうえで押さえておきたいポイントを挙げてみた。

図表3 AWS Direct Connectサービスを提供する主な事業者(50音順)
事業者名 サービス名称 URL
アイレット(cloudpack) 専用接続プラン with 光 http://cloudpack.jp/service/plan/direct-connect.html
NTTPCコミュニケーションズ Master’sONE ダイレクト接続 for AWS http://www.mastersone.jp/aws/
京セラコミュニケーションシステム(KCCS) AWS Direct Connectソリューション http://www.kccs.co.jp/ict/cloud-go_unified_cloud/leaflet_aws_direct_connect_201311.pdf
KVH etherXen for AWS http://www.kvhasia.com/ja/services/network/ethernet-services/kvh-etherxen-for-aws/
KDDI AWS with KDDI http://www.kddi.com/business/pr/spcloud_aws/
ソフトバンクテレコム ダイレクトアクセス for AWS http://tm.softbank.jp/security/cloud_access/direct_access_for_aws/
TOKAIコミュニケーションズ Broadline AWS接続サービス http://www.broadline.ne.jp/news/keyman121018/
野村総合研究所 専用ネットワーク接続サービスAWS Direct Connect http://www.nri-aitd.com/solution/aws_business.html

まず挙げられるのは、AWS Direct Connectの相互接続ポイントであるEquinix TY2まで、どのように接続するか。そのアクセス回線の選択肢の幅広さである。専用線だけではなく、フレッツ回線や3G/LTE回線を、アクセス回線として選択できる事業者もある。

また、Equinix TY2からAWSまでの物理回線が冗長化されているかどうも確認しておきたい。標準で冗長化されているケースもあれば、冗長化を望む場合はユーザー自身で2回線契約して冗長化する必要があるケースもあるからだ。なお、メイン回線はAWS Direct Connectにし、バックアップ回線はインターネットVPNにするというのも、AWSではよくあるネットワーク構成だ。

クラウドへの移行がさらに進む今後を考えれば、他のパブリッククラウドとの閉域接続サービスも提供しているかも、事業者選びの大切なポイントの1つになってくるだろう。例えば、AWSに加えて、AzureやSoftLayerも併用する。そうなってくると、オンプレミスとAWSの連携だけではなく、パブリッククラウド間の連携も考慮する必要が出てくるからだ。

このとき同一事業者の閉域接続サービスを活用すれば、パブリッククラウド間のデータ連携なども閉域接続で行える。NTTPCコミュニケーションズの「Master’sONE インタークラウドネットワーク」など、複数のクラウドとのシームレスな接続を特徴とした閉域接続サービスが最近登場し始めている[関連記事:https://businessnetwork.jp/Detail/tabid/65/artid/3772/Default.aspx]。

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