情報共有にプレゼン手法、事務作業と課題山積み
自社のデザイン力や企画力などを、制約なく存分に発揮できるオリジナルブランド。しかし、自分たちの作りたいものを作るだけでは、プロダクトアウトに過ぎない。重要なのは“市場の声”にしっかり耳を傾けることだが、青山眼鏡は従来この点に課題を抱えていた。
市場の声を一番よく知るのは、メガネの小売店や問屋を日々回っている営業マンだ。しかし、営業マンが現場で得た情報を、効率的に全社で共有するための仕組みがなかった。
課題はこれだけではなかった。とりわけ大きかった課題は、提案力の強化だ。iPadなどのタブレットを使った商談は、メガネ業界でも増えていた。ところが、青山眼鏡の営業マンが持っているのは依然、紙の説明資料だけだった。
また、非効率な営業事務も課題だった。iPadの導入以前、営業マンは営業所の外に一歩出ると、もう社内イントラにアクセスする手段がなかった。
「ですから、在庫の確認1つとっても、非効率でした。事前に在庫情報を何十枚もプリントアウトして持ち歩くか、営業所の事務員に電話で問い合わせる必要がありました」と経営管理部 総務・人事課 課長の河野伸一氏は振り返る。
青山眼鏡 経営管理部 総務・人事課 課長 河野伸一氏 |
そこで以前からタブレットの導入を検討していた青山眼鏡は2014年の春、通信事業者やSFAの具体的な選定作業に入った。そして6月、KDDIのiPadおよびKDDI Knowledge Suiteの採用を決め、8月から運用を開始した。導入したiPadの台数は48台。全国7拠点の営業マン38名全員と、10名の本社スタッフに配布している。
SFAに関しては、4~5社のサービスを比較検討した。KDDIの提案は一番最後だったというが、「一目惚れでした」と河野氏は話す。「こうしたツールで、まず重要なのは見易さです。その点、KDDI Knowledge Suiteは、他社と比べて画面構成が優れており、非常に直感的に見易かったのです」
また、コストパフォーマンス面も優れていた。クラウド型のSFAの場合、利用する1ユーザー毎に課金されるのが一般的だ。一方、KDDI Knowledge Suiteは、ユーザー数無制限の課金体系を特長にしている。「これは他社にはない非常に大きな魅力でした」(河野氏)
青山眼鏡ではiPadを配布する48名を含め、合計約100名でKDDI Knowledge Suiteを使っている。1ユーザー単位で課金される大手SFAと比較すると、毎月の利用料金は約10分の1で済んでいるという。