2015年1月15日に開かれた新サービス・新デバイス発表会でUQコミュニケーションズの野坂章雄社長は「WiMAX 2+の220Mbps化は、キャリアアグリゲーション(CA)と4×4MIMOの2つの方式で実現する。この2つを組み合わせて、440Mbpsのサービスを実現することも視野に入っている。さらにシステムを高度化し、2020年のオリンピックの前に1Gbpsを実現したいと考えている」と述べた。
野坂社長が実現方式の1つとしたCAは、WiMAX 2+の複数の搬送波(電波)を束ねて高速化を実現する技術である。
UQは2009年の開業時から30MHz幅の周波数帯でWiMAXによる下り最大40Mbpsのサービスを提供しているが、今回このうちの20MHz幅をWiMAX 2+に置き換える。さらにこれと、2013年に割り当てられ、すでに20MHz幅の帯域を使って運用されているWiMAX 2+の搬送波をCAで組み合わせ。計40MHz幅の搬送波として使うことで、220Mbpsの最大通信速度を実現する。WiMAX帯域のWiMAX 2+への転換は、今年2月に栃木県真岡市でスタートし、順次全国に拡大される計画だ。
キャリアアグリゲーション技術により220Mbpsを実現 |
CA対応WiMAX 2+端末の第一弾はモバイルルーターの「Speed Wi-Fi NEXT W01」(ファーウェイ製)。この端末は1月16日に発売されるが、220Mbpsのサービスが利用できるようになるのは3月のファームウェアのバージョンアップ以降だ。W01はKDDIのLTE網の利用も可能だが、既存のWiMAXはサポートしない。
CAで220Mbpsに対応するモバイルルーター「Speed Wi-Fi NEXT W01」 |
もう1つの4×4MIMOは基地局と端末双方に4本のアンテナを実装して効率的なデータ通信を行う技術。WiMAX 2+に導入すれば20MHz幅の搬送波1波で220Mbpsのデータ通信が実現できる。
「モバイル通信で220Mbpsを商用化したのはUQが世界初。膨大な演算の最適化や、端末への4アンテナの実装、1チップ化の実現などの点から端末作りのハードルが高い。当社とさまざまな端末ベンダーとの協力で実現できた」と野坂社長は語った。
440Mbpsへの高速化も視野に入っているという |
UQはWiMAX 2+の基地局を当初から4×4MIMOに対応する形で整備しており、3月に対応機となるモバイルルーター「Speed Wi-Fi NEXT WX01」(NECプラットフォームズ製)が発売されれば、WiMAX 2+エリア全域で一気に220Mbpsの高速データ通信が利用できるようになる。なお、WX01はWiMAXにも対応。UQのモバイルルーターでは初めてBluetoothもサポートしている。
4×4MIMOで220Mbpsに対応する「Speed Wi-Fi NEXT WX01」 |
UQでは現在2万局のWiMAX 2+の基地局を2015年3月末までに2万2000局に拡大し、現行のWiMAXと同等のエリアを整備する計画だ。