M2Mの領域とソリューションをM2M参照アーキテクチャにマッピング
本日は、(1)M2Mビジネスを取り巻く状況とHPソリューションの全体像、(2)M2M/MVNO向けSIM管理、(3)Embedded SIM管理に関するHPの取り組み、(4)M2Mコアネットワークに関するHPの取り組み――を中心に話をして参ります。
初めに、M2Mの全体像について整理をしておきます。
M2Mは、M2MデバイスとM2Mアプリケーション、その2つを結ぶM2Mネットワーク/M2M用基本サービスという3つのドメインで構成されると整理ができ、それぞれの領域で標準化の策定や新技術適用の検討が進行しています。デバイス領域ではEmbedded SIM(eSIM)の標準化が活発に行われています。ネットワーク領域では、NFV/SDN(Network Functions Virtualization/Software Defined Network)を活用したM2Mコアネットワーク構築の検討が行われています。アプリケーション領域では、テレマティクス、HEMS、スマートメーター、ヘルスケアなどの分野ごとに開発が進んでいます。(図表1)
図表1 M2Mの標準化動向[画像をクリックで拡大] |
HPは、上述したデバイス、ネットワーク、アプリケーションの領域にHPのソリューションをマッピングしたM2M参照アーキテクチャを作成しました。(図表2)
M2Mの全体を管理するドメインが上段の部分に当たり、SIM管理、デバイス管理を行うHP DSP/DSM(Dynamic SIM Provisioning/Dynamic SIM Management)、ネットワークの運用管理を行うHP Utility Centerといったソリューションを提供しています。
ネットワークに関しては、仮想化技術を使ってM2Mネットワークを構築したいというニーズに対して、vHSS(Virtual Home Subscriber Server、仮想化技術を採用したホーム加入者サーバー)やPCRF(ポリシーと課金ルール機能、Policy and Changing Function)等のソリューションを提供しています。
また、どのような M2Mサービスにおいても共通的に使われる機能をCommon Functionsとして整理しました。具体的には、デバイスからデータを収集する機能、収集したデータを分析・加工する機能、そしてポリシーべースで帯域制御や接続を制御する機能を実行するソリューションを提供しています。
加えて、デバイスに対して情報をプッシュしたり、デバイスから収集・加工された付加価値情報にアクセスをするなどの基本サービス機能を、サービスイネーブラとしてM2Mサービスプラットフォーム向けに用意しました。それらのサービス機能をM2Mサービスプロバイダに利用してもらう機能公開の仕組みは、標準的なAPIによって提供します。
図表2 M2M参照アーキテクチャ[画像をクリックで拡大] |
次に、通信事業者にとってのM2Mビジネス領域について見ていくことにします。
通信事業者のM2Mビジネスは、(1)M2Mサービスに最適化された通信インフラ提供(2)M2Mサービスのアグリゲーター、(3)M2Mサービスプロバイダ――という3つの領域に整理できると考えられます。
1つ目のビジネスはM2M向けのSIM、無線アクセスネットワーク、コアネットワークを提供していくこと、2つ目のビジネスは、M2Mサービスを提供する企業がM2MサービスをつくりやすくするためのAPIの提供や開発サポートを行うこと、また課金・決済の仕組みを提供すること、3つ目のビジネスは、通信事業者自身がM2Mサービスプロバイダとしてアプリケーションを提供していくことです。(図表3)
図表3 通信事業者のM2Mビジネスの領域 |