バウハウス丸栄では毎年1回、社員が直接、経営者に要望を伝える「自己申告書」という制度を設けている。同社 代表取締役社長である三ヶ尻大介氏の「社員が働きやすい会社にしたい」という思いを具現化するためだ。
バウハウス丸栄 代表取締役社長 三ヶ尻大介氏 |
同社は2012年4月、350名の社員のうち、内勤者を除く318名にフィーチャーフォンを支給したが、これも「携帯電話料金の個人負担が多いので、会社から携帯電話を貸与してほしい」という意見が社員から自己申告書を通して寄せられたからだった。
それから約1年半が経過した2013年秋、フィーチャーフォンの契約の満期が近付いた同社では、この次もフィーチャーフォンに機種交換するのか、それともスマートフォンを導入するかの議論が起きる。その結果、選んだのはスマートフォン。「『今度はモバイルを活用し、業務効率を改善していくことが重要』という結論に至ったのです」と業務管理部 部長の小森克英氏は説明する。
フィーチャーフォン時代、バウハウス丸栄には3つの課題が存在した。
1つは、外出先で社内メールをチェックできなかったことだ。担当している店舗の工事が始まると、社員は作業現場に基本的に常駐することになる。ところが、社内メールを外出先でチェックできる環境が整備されていなかったため、社員はメールチェックのためだけにオフィスへ戻っていた。
2つめは、フィーチャーフォンの管理が困難だったことである。バウハウス丸栄では、業務管理部がその管理を担当していたが、社員がどのようにフィーチャーフォンを使用しているのかは、事実上、管理できていなかったという。
3つめは、作業現場に常駐している社員が社内会議に参加できなかったことである。会議に参加するのか、現場で作業を続けるのか――毎回、二者択一を求められていた。
「2013年12月にテレビ会議システムを全国の拠点に導入する計画を立てており、モバイル端末からテレビ会議に参加できるようにしたいとも考えていました」(小森氏)という。
岐阜県羽島郡岐南町にあるバウハウス丸栄の本社 | バウハウス丸栄の本社内。木のぬくもりが感じられる美しいデザインだ |
山間部でもつながるKDDIのネットワークを評価
新しいモバイル端末を決めるにあたり、バウハウス丸栄では携帯電話事業者3社からスマートフォンとフィーチャーフォンの提案を受けた。その結果、3つの課題を解決できるのはスマートフォンであると判断。iPhoneかAndroidかについては、セキュリティ面に優れるiPhoneを選択した。
携帯電話事業者に関してはKDDIを選んだが、その理由として小森氏が挙げたのは「会社の姿勢」だ。「プレゼンに臨む姿勢に惹かれました。担当者の熱意が強く感じられ、信頼できる会社だと思い、KDDIとお付き合いしたいという気持ちになりました」。さらに、KDDIの充実したネットワークやアフターフォロー体制も評価した。
フィーチャーフォンからiPhoneへの切り替えは、2014年1~2月にかけて行ったが、このとき早速、KDDIのサポートが役に立ったという。
「社員向け説明会の開催前に、iPhoneの初期設定方法を文書で伝えたのですが、年齢の高い社員からは『分かりにくい』と言われてしまいました。しかし、KDDIがテレビ会議システムを使って丁寧に説明してくれたことに加え、導入初日には当社に待機して社員からの質問に懇切丁寧に答えてくれたおかげで、スムーズにiPhoneへの切り替えが進みました」と小森氏は話す。
また、ネットワークについては、同社 業務管理部の笠原弘基氏がこう話す。「フィーチャーフォン時代には、新幹線での移動時や山間部では電波がつながらないことがありました。しかし、KDDIのiPhoneを導入してからは、そういったことがなくなりました」。KDDIを選定したことは正しい判断だったと実感しているという。
バウハウス丸栄 業務管理部 笠原弘基氏 |