ガートナー池田氏に聞く「ユニファイドコミュニケーション」の現在と導入成功の秘訣

ガートナーの池田武史氏は、日本企業のユニファイドコミュニケーション(UC)導入動向について、「面白い」動きがみられると指摘する。ユーザー企業は、UC導入にどう取り組むべきか。UCの最新の状況と導入時のポイントについて話を聞いた。


――企業のユニファイドコミュニケーション(UC)に対する関心や導入状況をどう見ていますか。

池田 企業にとってUCは、長年にわたって悩んできたテーマでもあります。PBX更改の度に「次の音声システムはどうすべきか」「UCは使えるのか」を検討してきた企業は少なくありません。

これまで普及しなかった理由はある意味で明確です。デスクトップPCと固定電話を使っていた従来の環境が、それはそれで“事足りていた”ため、UCのようにコミュニケーションのやり方にまで踏み込んだソリューションを検討し導入する企業は限られていました。ところが、我々が2012年の11月に実施した調査で面白い結果が出ました。

毎年、約700社を対象にサンプル調査を行っていますが、3年前までは、UCを導入している企業の割合は従業員2000名以上の大企業でも数%程度に過ぎず、しかも毎年、目立った変化がありませんでした。それが、2012年末の調査で変わったのです。

1割には達しないものの、UC導入企業が増加し、しかも大半の企業が今後の拡張を前提に導入していると回答したのです。

――現状では試験導入だったり一部の部署への導入でも、今後広く展開する計画を持っていると。

池田 そうです。2013年11月の調査では、2000人以上の企業のUC導入率が15%を超えました。3年以内に新規導入予定の企業も含めれば25%を超えています。

――中堅以下でも動きはありますか。

池田 従業員1000人前後までは積極的な動きも見られますが、中堅中小企業はあまり変化は見られません。「どんどんUCが採用されている」と言うにはまだ早いですが、着実に、興味のある方たちが入れ始めている状況とは言えるでしょう。

月刊テレコミュニケーション2014年7月号から一部再編集のうえ転載(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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