【橋本総業】iPad miniで月間1800万円のコスト効果、営業担当者の業務効率化に成功

2010年10月に260台の「iPad」を導入したのを皮切りに、「iPad2」、そして「iPad mini」と最新のタブレット端末に刷新してきた橋本総業。タブレットから受発注業務が行えるシステムを活用し、月間1800万円のコスト効果を達成している。

自社開発の3つのWebアプリがさらに営業活動を手厚く支援

このほかにも橋本総業は自社向けに独自開発した3つのWebアプリケーションシステムを展開している。1つめは、営業中の案件をランク化して管理するシステムである。各案件の重要度と進捗状況を管理可能で、営業担当者はやるべきことの優先順位を整理でき、上司は部下の営業状況を的確に把握できる。

「物件王」は営業中の案件をランク化して管理するシステム
営業中の案件をランク化して管理するシステム

こうしたシステムがうまく回るには、各営業担当者がきちんと情報を入力する必要があるが、iPad miniを配布しているため、外出先で入力することも可能。また、最新の営業状況をいつでもどこでもiPad miniから確認することも可能だ。

2つめは、顧客の状況やライバル企業の動向などを共有するシステムである。営業担当者が「顧客がこんなことを話していた」「建設現場が動き始めた」「ライバル企業がこんな値段を出していた」などといった情報を入力し、上司や同僚と共有することができる。

基本的には支店内で情報共有するためのシステムだが、重要情報についてはエスカレーションさせて社長まで伝わるようにしている。社長は毎朝、Excelにまとめられた重要情報を確認し、訪問先での話題のネタにしているそうだ。

「以前、社長に訪問先の重要情報が伝わらず、良い商談にならなかったことがある。そうしたことをなくすため、このシステムを導入するに至った」(宮原氏)という。

3つめは営業担当者の行動を支援するシステムだ。橋本総業ではiPadと同時に「Google Apps」を導入しているが、このシステムではGoogleカレンダーと同期した予定表と情報王と同期した実績表が1つの画面で閲覧できる。また、システム上から上司への報告を行ったり、アドバイスを求めることも可能。さらに、同じ事業所のほかのメンバーの予定と実績も見られるため、チーム一丸での営業活動の支えにもなっているそうだ。

iPad miniを利用して遠方の相手と手軽にミーティング

ビデオ通話ツール「FaceTime」を利用し、iPad miniでコミュニケーションを取ることもある。

例えば、営業担当者が工事現場から社内の女性事務員に商品の細かい説明をするような場合、口頭では相手に分かってもらえないことは多い。だが、FaceTimeを使って、商品を見せながら説明すればすぐに理解してもらえる。

また、遠方の顧客と会議を行うこともある。「テレビ会議システムはあるものの、簡単な打ち合わせをするぐらいであれば、FaceTimeの方が便利だ」と橋本総業 特需三部 部長の長田邦彦氏は評価する。

なお、iPad miniの導入によって、それまで利用していたiPad 2はほとんど使われない状態になっている。今後はそのiPad 2を女性事務員に貸与し、営業担当者やメーカー、販売店の担当者とのコミュニケーションツールとして活用していく方針だという。

“使い倒す”という表現がふさわしいほど、iPadをはじめとするスマートデバイスをフル活用している橋本総業。過去ではなく、常に未来を見据えて経営してきたからこそ、現在に至る歴史があるのだろう。

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