BYODはもっとシンプルにできる! ―― アルバが新・統合管理ソリューションを発表

アルバネットワークスは2013年5月24日、同社が提供する有線・無線ネットワーク統合認証基盤である「ClearPass(クリアパス)」に追加する新コンポーネント「Aruba WorkSpace(アルバ ワークスペース)」を発表した。

米Aruba Networksのインダストリー・ソリューション担当ディレクター、ジェラード フェスタ(Gerard Festa)氏

ClearPassは、WindowsやMac OS X、iOS、Android等の多様なデバイスに対応した認証基盤システムであり、企業ネットワークにアクセスするデバイスやユーザーの特定、ポリシーの適用・管理、プロビジョニングを自動化する機能などを備える。無線化、マルチデバイス化が進む企業ネットワークの環境において、IT/ネットワーク管理者の負荷軽減を目指したソリューションである。今回、追加された新コンポーネント「Aruba WorkSpace」は、このClearPassにネットワークアクセス制御(NAC)、モバイルデバイス管理(MDM)、モバイルアプリケーション管理(MAM)を統合するものだ。

新コンポーネント「Aruba WorkSpace」の追加により、ClearPassにNAC、MDM、MAMを統合し、シングルプラットフォームによる管理が可能になる

米Aruba Networksのインダストリー・ソリューション担当ディレクターであるジェラード フェスタ(Gerard Festa)氏が強調するのが、「業界初のBYOD向けシングルプラットフォーム」であるという点だ。

スマートデバイスを業務に利用する企業では、従来からあるネットワーク管理システムや認証基盤、セキュリティ、MDM、さらにMAMなど複数のマネジメントシステムを混在させることになる。デバイスやアプリケーションの種類、数はますます増えると予想され、IT/ネットワーク管理者の負荷は増大するばかりだ。認証基盤とNAC、MDM、MAMを統合し、シングルプラットフォームによる管理を行う形態へと再構築することで、この管理負荷を軽減しようというのがAruba WorkSpaceの目的である。

ClearPassは、コンテキストベースのポリシー適用が可能な点が、最大の特徴だ。誰が、どのデバイスで、どこからアクセスし、何のアプリを使っているのか、といったリアルタイムな「コンテキスト情報」を基に、その都度、適切なポリシーを適用することができる。例えば、同じユーザー、同じデバイスであっても、企業内のWiFiアクセスポイント経由なら業務システムが使えて、業務時間外や外部のホットスポットならば特定のアプリのみに限定する、といった運用が可能になる。

このClearPassの機能と、「デバイス制御、アプリケーション制御が統合されることで、実にさまざまなことが可能になる」とフェスタ氏は話す。MDMは、デバイス内の詳細な情報を収集することができ、例えば、マルウェア感染したデバイスや、ディスクドライブが暗号化されていないデバイスを自動検出し、特別なポリシーを適用するといったことが可能になる。また、オフィス内の機密性の高いエリアでは(接続しているAPで場所を特定する)、スマートフォンのカメラ機能を一時的に使用不可能にするといった制御もできる。

アプリケーション制御とコンテキストベースのポリシー制御の連携例

アプリケーション制御(MAM)との連携については、例えば、Jailbreakされた端末を検出すると企業独自のアプリケーションを強制的にワイプする、VoiP通話やビデオ通話などのリアルタイム性の高いアプリケーションのトラフィックについてはネットワークの優先制御(QoS)を行う、といった使い方がある。また、BYOD環境では、社員が業務時間内にも仕事と無関係のアプリを使用したり、Web閲覧、アプリのダウンロードなどを行うことによって帯域を圧迫するような事態も考えられるが、そうした場合に、個人アプリのトラフィックを制限して、業務用のトラフィックの安定性を保つことができる。

Aruba WorkSpaceは、現在β版の試験を行っており、2013年7月から提供を開始する予定だ。なお、クライアント側のアプリケーションは、アップルのApp Store、Google Playで同時期に提供を始めるという。

IEEE802.11ac対応の無線LANアクセスポイント「Aruba AP-220も合わせて発表された

また、アルバネットワークスは同日、無線LANの新規格であるIEEE802.11ac対応のアクセスポイント新製品「Aruba AP-220シリーズ」も発表した。5GHz帯使用時で、最大1.3Gbpsをサポートし、2.4GHz(IEEE802.11n)では、最大450Mbpsとなる。価格は20万8000円からで、2013年6月に販売を開始する予定だ。

RELATED ARTICLE関連記事

SPECIAL TOPICスペシャルトピック

スペシャルトピック一覧

NEW ARTICLES新着記事

記事一覧

FEATURE特集

WHITE PAPERホワイトペーパー

ホワイトペーパー一覧
×
無料会員登録

無料会員登録をすると、本サイトのすべての記事を閲覧いただけます。
また、最新記事やイベント・セミナーの情報など、ビジネスに役立つ情報を掲載したメールマガジンをお届けいたします。