M2Mイノベーションの時代[第2回]コネクテッド・ビークルの世紀へ――M2Mで加速する車のインテリジェント化

ネットワークに常時接続する車、「Connected Vehicle(コネクテッド・ビークル)」が増加している。2016年には、半数の車がConnected Vehicleになっているという予測もある。今回は、M2Mにより加速する車のインテリジェント化について紹介する。

2.Connected Vehicleのもう1つの分野: Infotainment

CVで期待されるもう1つの分野は「Infotainment」だ。InfotainmentとはInformation(情報)とEntertainment(エンタメ)を組み合わせた造語である。

モバイル通信が3GからLTE等へ高速化するにつれ、車内でもモバイルWi-Fiルーターを利用したインターネットアクセスや動画閲覧等が手軽になってきた。また、車内に設置されたドライビング・モニターの画像をリアルタイムに送信することも可能となっている。

さらにスマートフォン普及を受けて、スマホとカーナビなどの車載機器を連動させるための規格「MirrorLink」も登場した。MirrorLinkは、世界の主要な自動車メーカーやITベンダーが主体になり、ソウトウェア実装(スタック)とサービスを規定したものだ。MirrorLinkに準拠すれば異なるメーカー間の相互接続性が確保されるというわけである。

MirrorLinkのソフトウェアスタック
MirrorLinkのソフトウェアスタック

MirrorLinkの代表的なアプリケーションとして挙げられるのが、スマホで視聴中の動画の続きをカーナビの画面で視聴できるというもの。このほか、メディアシェアリングや、スマホで調べた地図情報をカーナビにそのまま送れる転送サービス等がある。

現代自動車によるMirrorLinkの実装例
現代自動車によるMirrorLinkの実装例

3.クルマも遠隔制御がトレンドに

M2Mの主要な用途として監視と制御がある。車両に関しても今後、単なる監視にとどまらず、外部からの遠隔制御が主要なアプリケーションとなってくると見られている。特にスマホと連動した遠隔監視・制御は間違いなく大きなトレンドとなるだろう。

BlueLink
現代自動車のBlueLink。スマホから車の遠隔監視&制御が行える

OnStarがGMの通信型テレマティクスから発展したように、韓国の現代自動車も同様のシステム/サービスを独自に開発しているが、その最も特徴的な機能がスマホを利用した車両の監視および遠隔制御だ。BlueLinkと名付けられたサービスはスマホを中心にした様々なサービスを現代自動車の車両とペアで提供している。。

BlueLink
現代自動車のルームミラー型機器。スマホとの通信はBluetoothで行う

また、世界初の本格的EV(電機自動車)をグローバル展開する日産自動車も同様のシステムを開発している。充電スタンドを見つけることが最重要なEVにとって、専用のナビゲーションは必須の機能だ。それ以外にもBlueLinkに類似したスマホアプリが各種用意されている。

日産リーフ専用のスマホアプリ
日産リーフ専用のスマホアプリ

今後の車のインテリジェント化はスマホ+CVがトレンドになりそうだ。

[連載目次]M2Mイノベーションの時代

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