ファミリー層のクラウド利用を包括的に支援 ―― Snap MyLifeが日本市場参入へ

米国ニュージャージー州に本社を持つSnap MyLifeは、セキュリティ管理サービス「Snap Secure」により北米を中心にシェアを伸ばしている。これから半年間のうちに日本をはじめ世界各地に市場を広げる。

毎月10万人以上のペースでセキュリティ管理サービス「Snap Secure」の加入者を増やしているSnap MyLife。同社の代表取締役兼CEOであるジャイレン・パリック氏はその成功要因について「クラウドを単なるストレージと捉えるのではなく、アプリ全体を包括的にカバーしたこと。そしてコンシューマーのうち、とりわけファミリー層にターゲッティングしたこと」と話す。

Snap MyLife 代表取締役兼 CEO ジャイレン・パリック氏 

Snap Secureは、スマートフォンとクラウドを連携させて、セキュリティを管理するサービス。海外でスマートフォンの紛失・盗難をした際、世界中どこにいてもデータのロック・削除・バックアップをリモートで実行可能だ。家族間での位置情報の共有や、メールのAnti-SPAM、未登録SIM使用時の端末ロックなどの機能も一括で提供する。

家族間なら1人が加入すれば加入者を含め最大5人までサービスを受けられる。ファミリー層を主ターゲットに絞るうえでの販売施策だ。現在、サービス加入者は65万人で、そのうちの95%が米国での加入実績だという。

Snap Secureのほかにも以下のサービスを提供し、クラウド利用を包括的に支援する予定だ。

・Snap MyLife
テレビを含めたあらゆる端末で写真や動画を共有できるようになる。

・Snap Sync(今秋から提供開始)
あらゆる端末からコンテンツの同期が取れるようになる。

・Snap Play(今年の第4四半期から提供開始)
音楽や動画の配信や同期を、携帯やWiFiを介してあらゆる端末で利用できる。

安全なコンテンツ利用、管理をサポートする

Snap MyLifeはこれから半年間の戦略として、市場を国際的に広げようとしている。アジアと西ヨーロッパ、ラテンアメリカでの市場参入を予定しており、アジアでは日本を最重要視しているという。その理由としてパリック氏は「日本はモバイルネットワークが充実しており、課金制度が成熟している。モバイルアプリの市場も充実しているため、当社のクラウドサービスには十分商機がある」と話す。

また、日本で長期的に事業を展開するメリットとして、日本は(1)データアプリのARPの伸びが顕著であること、(2)モバイル利用者の人口が多いこと、(3)モバイル投資額が高いことを挙げた。

日本市場参入の足がかりとして、MCPC(モバイルコンピューティング推進コンソーシアム)の正会員になったSnap MyLife。次のステップとして見据えているのはネットワークキャリア各社との連携だ。

「コンシューマー向けにモバイルベースでのコマーシャルのほかにテレビCMも準備しており、キャリアとしても宣伝のチャンスとなる。モバイルアプリを取り扱う企業がここまで広告に注力している例は他にないだろう」(パリック氏)。また、雑誌や新聞媒体にもアプローチをしていくという。

今後の展望について「今年末にはサービス加入者100万人、来年には200万人の達成を予定している」と、パリック氏は自信をのぞかせている。

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