「AIの負の側面にしっかり対応」A10ネットワークスの本社CEOと日本代表に聞く

生成AIの普及にはネガティブな面もある。サイバー攻撃への悪用、トラフィックの激増、電力消費の増大などだ。A10ネットワークス本社CEOと日本法人代表に、AI時代への対応策などを聞いた。

(左から)米A10ネットワークス 本社社長 兼 CEOのドゥルパド・トリベディ(Dhrupad Trivedi)氏、日本法人代表 兼 社長、米本社バイスプレジデント 日本アジア太平洋地域 代表の川口亨氏

(左から)米A10ネットワークス 本社社長 兼 CEOのドゥルパド・トリベディ(Dhrupad Trivedi)氏、日本法人代表 兼 社長、米本社バイスプレジデント 日本アジア太平洋地域 代表の川口亨氏

――生成AIの登場があらゆる業界に多大な影響を及ぼしつつありますが、ネットワーク業界に与えるインパクトについてどう見ていますか。

トリベディ AIという新しい技術の台頭は、効率や生産性の向上といったポジティブな貢献をもたらします。

しかし、その一方で、AIを悪用して新しいサイバー攻撃だったり、より複雑なサイバー攻撃を容易に実現できてしまうという負の側面も存在しています。

ですから我々は、「AIが一般化することで、どういったリスクが生まれ、どのような脅威を防御していかなければならないのか」という問題に、しっかりと目を向けていく必要があります。

AIを使ったサイバー攻撃は、従来の攻撃とはタイプが異なるものとなります。その検知や防御を行うためには何が必要なのかを、A10のセキュリティリサーチチームは常に研究しています。

例えば、AIが使うデータの中に不正なデータを埋め込み、生成AIが間違った回答をするといったタイプの脅威も生まれるだろうと我々は考えています。こうした脅威に対処するため、AIから間違ったデータが外部へ出ない、あるいはAIの中に不正なデータが入らないようにするための取り組みも行っています。

「安全で可用性が高く、効率的なビジネスクリティカルネットワークの実現」がA10のミッションです。

――AIをネットワーク運用の効率化に活かす試みも始まっています。

トリベディ 複雑なネットワークを有する顧客は、ネットワークのモニタリングを長期にわたって実施しており、ネットワーク運用に関するデータをすでに大量に抱えています。

そうしたデータをAIモデルに取り込み、ネットワークのトレンドを導き出して予測したり、運用を自動化するといった取り組みを我々も行っています。

ただし、こうした試みはまだ始まったばかりです。ですから、「すべてをAIにやらせよう」という段階までには至っていません。もう少し信頼度が増してから、最終的な意思決定までをAIに任せる流れになるでしょう。

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