パブリック5Gとローカル5Gの“ハイブリッド”で自動運転バスを制御 NTT Comがよこはま動物園ズーラシアで実証

NTTコミュニケーションズ(NTT Com)を代表機関としたコンソーシアムが、5G/ローカル5Gを活用した自動運転バスの実証実験を開始した。無線区間のリソースをバスへ優先的に割り当てる「5Gワイド」や、電波状態に応じて無線ネットワークを動的に制御する「Cradio」技術を用いることで、混雑エリア・時間帯でも安全・安心な自動運転を目指す。

NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は2024年9月30日、よこはま動物園ズーラシアで5G/ローカル5Gを用いたバスの自動運転に関する実証実験を開始したと発表した。同日から10月8日まで実施する。

よこはま動物園で自動走行する日野自動車製バス「ポンチョ」

よこはま動物園で自動走行する日野自動車製バス「ポンチョ」

近年、バスの運転手不足による減便や路線廃止などが相次いでいる。日本バス協会によると、2023年のバス運転手は全国で約1万人、2030年には約3万6000人が不足する見込みだ。

一方、動物園や遊園地などのレジャー施設は駅から離れた場所にあることも多く、駅とレジャー施設を結ぶ送迎交通は必要不可欠だ。

そこでレジャー業界の期待が高いのが、自動運転バスである。レジャー施設への送迎需要に対して、人的リソースをかけずに対応できる。

NTT Com・相鉄バス・パナソニック コネクトら9社で構成されたコンソーシアムは今年4月、総務省の「地域デジタル基盤活用推進事業(自動運転レベル4検証タイプ)」の実証団体に選定され、横浜エリアの無人運転移動サービスの実用化に向けて取り組んでいる。

今回の実証はその取り組みの1つで、「レベル2(部分自動運転)」の自動運転バスが、よこはま動物園の正門から北門までの往復約2kmを走行する。

運転手がハンドルから手を放しても、バスが自動で走行することがわかる

運転手がハンドルから手を放しても、バスが自動で走行することがわかる

正門・北門付近では、5Gなどの公衆網を用いて自動運転バスを制御するが、NTT Comが提供するサービス「5G ワイド」を活用し、無線区間のリソースをバスへ優先的に割り当てることで、公衆網が混雑していても安全・安定な自動運転が実現できるという。公衆網が入りにくいエリアには、ローカル5Gネットワークを構築した。

よこはま動物園に設置されたローカル5G基地局

よこはま動物園に設置されたローカル5G基地局

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