シスコシステムズ濱田社長「日本のDX“巻き返し”に貢献 進化版イーサでAI開発支える」

2024年1月にシスコシステムズ社長に就任した濱田義之氏はセキュリティとサステナビリティ、そしてAIを重点領域に挙げる。掲げるのは、デジタル化の世界ランクで中位に沈む日本の巻き返しを後押しすること。この3領域で日本企業の変革に貢献する。

シスコシステムズ 代表執行役員社長 濱田義之氏

シスコシステムズ 代表執行役員社長 濱田義之氏

目次

    • ・シスコジャパンの重点領域
    • ・セキュアアクセスを出発点に
    • ・AI支えるUltra Ethernet
    • ・独自チップと光/IP統合も強みに
    • ・ベンダー統合は今後も続く

シスコジャパンの重点領域

――社長就任後の会見で、シスコジャパンの重点領域として「セキュリティ」「サステナビリティ」「AI」の3つを挙げました。グローバル戦略における6つの注力分野(図表)のうち、この3つを掲げた理由は。

濱田 日本は、遅れているデジタル化をどんどん進めていかなければならない状況にあります。2023年の世界デジタル競争力ランキング(IMD)は、64カ国中の32位。前年比でも3ランク下げました。

日本が挽回するためにシスコがどのように貢献できるのかを考えたときに、他の3つは比較的、日本企業も取り組みが進んでいます。

図表 シスコのグローバル戦略(6つの注力分野)

図表 シスコのグローバル戦略(6つの注力分野)

――重点領域に挙げた3つに、DXが遅れている要因があると。

濱田 セキュリティとサステナビリティは、日本企業にとって取り組みを進めにくい環境があります。

日本は現場が強い国で、何か1つを極めることに長けているため、局所最適になりがちです。これは、全社的な取り組みを要するデジタル化やサステナビリティに適していません。そこで複数の部門、システムやプロセスを、シスコが媒介してつなぐことが大事だと考えています。

日本にはレガシーなシステムや紙文化、マニュアルのプロセスも根強く存在しています。それらをマイグレーションする際に必ず問題となるのがセキュリティです。

我々は“つなぐ”こと、つまりコネクティビティの専門家ですので、脅威をまくし立ててセキュリティを売ることはしません。異なる部門、異なるシステムやプロセスをつなぐときに“どうやってセキュアにつなぐか”というのがシスコのアプローチです。デジタル化を後退させないように、お客様にこの「セキュアネットワーキング」を浸透させることに注力します。

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濱田義之(はまだ・よしゆき)氏

日本大学理工学部電気工学科を卒業後、住友電工通信エンジニアリング、Coltテクノロジーサービス(旧KVH)を経て、2016年にシスコシステムズ入社。執行役員 最高技術責任者(CTO)、専務執行役員 情報通信産業事業統括などを歴任。直近では、アジアパシフィック ジャパン チャイナ(APJC)地域のセキュリティセールスを統括するマネージングディレクターを務めた。2024年1月1日付でシスコシステムズ 代表執行役員社長に就任

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