――日本のADC(Application Delivery Controller)市場は、少し前までF5ネットワークスの一人勝ちでしたが、今やA10ネットワークスが首位のF5にかなり肉薄しています。何がこの急成長の要因ですか。
リー まずは製品の良さです。卓越したパフォーマンスと省電力性、省スペース性を、とてもリーズナブルな価格で提供しています。しかも、オールインワンライセンスですから、サーバー負荷分散やIPv6への移行、DDoS対策、仮想化など、すべての機能を追加コストなしに利用できます。
小枝 「価格は半分、パフォーマンスは倍」というのがA10のコンセプト。価格で負けたことはありません。
米A10ネットワークス創設者兼CEOのリー・チェン氏(左)と、日本法人の代表取締役社長兼CEOおよび南アジアヴァイスプレジデントを務める小枝逸人氏 |
リー そして、顧客サービスの良さも非常に大きな要因となっています。これには1つエピソードがあります。A10の設立前、日本人の友人2人と夕食したときのことです。いかに海外ベンダーのサポートがひどいかを友人たちが力説するのを聞いて、私は顧客サービスに本当に特化した会社を作ろうと決心したのです。米国企業とは思えない手厚いサポートを我々は提供しています。
さらにパートナーにも恵まれました。日本での1次代理店はNEC、MKI、ユニアデックス、伊藤忠テクノソリューションズの4社、OEMパートナーは日立製作所と大変強力です。
小枝 「あのベンダーは製品は良いが、サポートが悪くて売りにくい」といった話はよく聞きますが、A10では絶対にそんなことはありません。
例えば我々はIPv4枯渇対策に必要なキャリアグレードNAT(CGN)でリーダー的存在ですが、これも元々は日本の顧客のリクエストに応えて実装した機能です。顧客の声に真剣に耳を傾けてきたことが、今の急成長につながっているのです。